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ダイナミックプライシングとは?

ダイナミックプライシングのメリット4選|決め手は収益の最大化!

この記事は、「最近耳にすることの多いダイナミックプライシングだけど、どんな利点があるのだろう?」とお考えの方にぴったりの記事となっています。

ダイナミックプライシングを導入することで一体何ができるようになるのか、それを4つ挙げて導入のメリットについて解説していきます。

ダイナミックプライシングが何なのかわからないという方はこの記事をご覧ください。


プライシングスプリント

ダイナミックプライシングのメリット4選

ダイナミックプライシングは価格を動的に変化させる価格戦略です。近年日本でも導入されることが増えてきていますが、実際どのようなメリットがあるのでしょうか?この記事ではダイナミックプライシングを導入することの何が良いかということを解説していきます。

 

それでは、ダイナミックプライシング導入メリット4選を紹介します。

1.収益の最大化

ダイナミックプライシングの最大のメリットは、収益の最大化です。ここでは、一定価格での販売に比べて、DPでの販売がなぜ収益の最大化につながるかを解説します。

・一定価格での販売

まずは通常の価格設定、つまり一定価格での商品販売について解説します。

一定価格での販売

この図は、商品の価格と、その価格で販売できる商品の数量を表しています。商品の価格をA円に設定した場合、その価格でこの商品を消費者がほしいと思う度合い(=需要)から商品は最大でa個まで販売することができ、紺色部分(A円×a個)が実現可能な最大売上にあたる、というものです。

この商品がずっとA円で売れるならば特に問題はないのですが、実際には商品の需要は一定ではなく変動するものです。需要が小さくなると、Aの価格のままでは売れなくなってしまう時があります。一方で、需要が大きくなっている時でも同じ値段で商品を売り続けていると、本当はより高い値段でも買ってもらえたのに、その差額を逃してしまいます。また商品の在庫(=数量)が不足し、取引の機会をのがしてしまうかもしれません。

つまり、通常の一定価格では、需要が高い時には定価より高価での販売機会を、需要が小さい時には価格を下げれば獲得できたであろう販売機会を逃しているのです

・ダイナミックプライシングでの販売

ダイナミックプライシングでの販売

一方、ダイナミックプライシングを導入すると、価格はAだけでなく、BやCにまで引き上げたり、DやEに引き下げることができます。需要の変動や供給の状況に合わせて価格を変動させることで、収益を最大化させることができるのです。

需要が大きい または 供給が足りないと判断したときは価格を上げ、その値段でも購入する層からより多くの利益を得られます。また、夏休みに旅行に行きたい人が増えるような、一般的に需要が高まるタイミングなら多くの人たちがその層になると考えられますよね。さらに、飛行機など供給が限られる場合は、値上げにより需要の集中を抑え、需要が少ない時に購入するようにうながし、全体の収益を最大化します。

逆に、需要が小さい または 供給が多すぎると判断したときは価格を下げ、元の値段では購入を考えていなかった層から購入してもらい、販売数を増やすことができます。これには収益が増える、在庫処理をスピーディーにできるというメリットだけではなく、一定価格制では価格が高いゆえに商品に見向きもしなかった顧客に、自社製品を知ってもらえるというマーケティング的価値もあります。

つまりダイナミックプライシングでは、本来需要変動により生まれているものの、一定価格制のもとでは失っていた「定価より高価での販売機会」「販売する価格を下げれば獲得できたであろう販売機会」を逃さず掴み、収益を最大化できるのです。

2.より深い顧客の理解

ダイナミックプライシングでは商品の価格を何度も変動させますが、その中で企業側は顧客理解につながる情報を得ることが出来ます。それは「価格弾力性」「価格感度」「閾値」です。商品の価格決定をおこうなう際に、価格変更が需要に対してどのような影響を及ぼすのかを把握する必要があり、これらのデータはその役に立ちます。

しかし、「価格弾力性」「価格感度」「閾値」は、通常の一定価格制でビジネスを行っていては得ることが難しいデータです。プライシング改善のためにこのデータを得ようとすると、稀にある価格改定の結果から分析するか、専門的な調査(PSM分析など)を高いレベルで行うしかありません。しかしDPを導入すれば、実際に行う高頻度での価格変更を経てそうした貴重なデータを収集でき、既存商品や新商品のプライシングに活用することができます。

3.工数削減

ダイナミックプライシングの導入には、作業工数を減らすことができるというメリットもあります。

ここでは、ダイナミックプライシングが早くから導入されている小売業を例に説明します。小売業において、多くの場合価格は消費者の購入の決め手となります。そのため小売業界では競合他社の価格の把握が重要になります。価格が1000円他社より安いと選ばれ、逆に1000円高いと選ばれないかもしれません。しかし、競合価格の調査には非常に手間がかかります。一度把握できたとしても、小売業では大量の商品の価格が何度も変わるため、その都度膨大な調査をこなさねばなりません。

ダイナミックプライシングツールには、自動で競合他社の情報を抽出して価格決定を行う機能が搭載されている場合があります。導入すれば、競合価格の調査や大量の価格変更価格の反映も自動で行えるため、精度の高いプライシングを楽におこなうことができるのです。

EC小売業界のダイナミックプライシングについてはこちらの記事をご覧ください

4.安全な価格管理

人力でエクセルなどのツールを利用して価格の管理を行う場合、入力間違いや競合価格情報の見落としなど、ヒューマンエラーの可能性は捨てきれません。
ダイナミックプライシングを導入すると、ツール上で価格を管理し、システムやAIを活用し、そうしたミスを最小化することが出来ます。

ちなみに、コロナ禍でダイナミックプライシングが持つ「混雑緩和」という価値が大きなメリットとなってきました。それについてはこちらで解説しています。

まとめ

これらのように、ダイナミックプライシングの導入には幅広いメリットがあります。もちろん導入することのデメリットや注意点はあるものの、ダイナミックプライシングの導入は、収益最大化など、企業にとって有益な効果が期待できます。一度自社への導入を検討してみてはいかがでしょうか。

デメリットについてはこちらの記事を

導入方法についてはこちらの記事をご参照ください。

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ダイナミックプライシングとは?

ダイナミックプライシングの歴史を徹底解説

「ダイナミックプライシングは理解したけど、起源は?歴史は?なぜ最近になって話題になっているのか?」この記事ではそんな疑問に答えます。今回は、ダイナミックプライシングの歴史を、商品の値決めの変遷とともに解説していきます

ダイナミックプライシングってそもそも何?とお思いの方は、こちらをご覧ください!


ダイナミックプライシングとは

まず、そもそもダイナミックプライシングとはなんでしょう?
一言で言うならば、

高頻度で価格を変更させる仕組み」です。

需給や競合価格などの変化する要因に対応して価格を最適に変更することで、企業の収益を最大化させています。

例えば、祝日のホテルや帰省ラッシュ時の航空券の様に、人々の需要が高まった商品や、供給が足りていない商品に対しては、価格を上げて利益を最大化します。逆に、人々の需要が小さくなった商品や、供給が過多な商品に対しては、価格を下げることで、販売数を増やします
これがダイナミックプライシングの基本です。

それに加え、競合の価格を監視し、それを元に自社の価格を動かすアプローチや、供給する商品の価値の変化を価格に反映するアプローチなど、業界によって多彩なアプローチが行われます。

メリットやデメリットについてはこちらで解説しています!

ダイナミックプライシングの歴史

「ダイナミックプライシングはつい最近登場した概念」と思うかもしれません。

しかし、実はダイナミックプライシングは、人間がずっと行っていた値決め方法の延長線にあるものなのです。
歴史的に見ると、商品の価格が一定だった期間は、値札が開発された1870年代からで、むしろ価格は変動的な方が主流だったと言っても過言ではありません。

原始的なプライシング

歴史 ダイナミックプライシング

値札が使われるようになる前は、商品の価格は消費者と店主の価格交渉で決まっていました。店主は、製品の需要が高い、または在庫が限られていると判断した場合、価格を引き上げて利益を最大化し、逆に在庫過剰の商品を処分したい場合は、価格を下げて販売量を増やしていたのです。

また、購入する人に応じて価格を変更することもしていたようです!例えば、お客さんがたくさんのお金を使いそうな場合、使うお金が少なさそうなお客さんの場合よりも、価格を高く設定する、などです。

ダイナミックプライシングを、勘に頼って手動で行っていたんですね!

 固定価格制の誕生

小売店 ダイナミックプライシング

しかし、このシステムは非効率的だったため、企業が大規模化するにつれて、すべての商品の価格を把握し取引ごとに価格を決定していくことは難しくなっていったようです。

そのため、価格管理のコストを大幅に下げる施策として、1870年代にタグが開発されたと言われています!(諸説あり)このタグの登場によって、店舗側は一度決めた価格を記録・表示しておけるようになり、価格決定作業を減らすことができたのです。

こうして、「取引のたびに価格を決めるシステム」から「一度決めた価格で取引を行うシステム」(=一定価格制)が生まれ、今でも商品の価格決定の主流になっています。このころから、現在の私たちに馴染み深い、商品タグによる価格管理が主流になっていたのです。

ダイナミックプライシングの復活と発展

商品タグの発明によってあまり使われなくなったダイナミックプライシングは、技術革新や法律改正があった1980年代を皮切りに、再び出現します!

先頭を走ったのは、アメリカの飛行機業界でした。
それまで政府によって厳しく規制されていた航空業界の座席価格が、1980年代の自由化に伴い航空会社で管理できるようになったことを契機に、アメリカの航空会社は数百万ドルを投資して、季節などの座席需要に影響を与える要素に基づいて価格を自動調整するコンピュータープログラムを開発したそうです。これが情報技術を使った初めてのダイナミックプライシングだと言われています。

その後、航空業界に続く形で、ホテルやクルーズなど、その他の旅行業界のプレイヤーもダイナミックプライシングを導入していきました。

2000年代中盤ごろ、EC小売市場では同じ商品が乱立した結果、消費者にとって”価格”が主要な商品の選択要因となっていました。したがって小売業者は、常に最適な価格で商品を提供するために、製品の価格を1日に数回上下させることが求められるようになりました。しかし小売業者は手動で価格調整を実施する他なく、時間的なコストがかかるうえに正確性が高いとは言い難いものでした。そこで、価格調整を自動化するソリューションとして、小売企業にもダイナミックプライシングツールが普及したのです。

初期のEC小売でのダイナミックプライシングツールは、競合価格をもとに値段を変更するだけの単純な仕組みしか持っていませんでした。競合価格だけではなく、実際の需給に応じてプライシングができるのは、当時は航空業界などの需要の変動が読みやすい業界だけでした。

しかし現在、商品ごとの需要の変動や供給量の変化も予測することができるEC小売向けSaaSや、需要変動が予測しにくいスポーツ業界での開発企業が登場しています。この背景にはAIの発達があります。AIを用いることで、自社のデータだけではなく、大量のビッグデータを収集し、分析し、これまでには扱えなかった複雑な条件を需要予測に加味することができるようになりました。需要予測の可能性が広がったことで、多くの業界でダイナミックプライシングを活用することできるようになり、現在わたしたちの暮らしに影響を与えるようになっています。

EC小売業界のダイナミックプライシングについて詳しくはこちらから

プロスポーツ業界のダイナミックプライシングについて詳しくはこちらからご覧になられます。

まとめ

もともと商品の値決めは、店主と客の取引のたびに調整されるため、決まった値段が存在しないものでした。一定価格制は、商品の値札を作り、たくさんの商品の値段を管理する手間を省くために生まれたものであり、本来収益を最大化するには、商品の値段をダイナミックプライシングで決定することはあたりまえだと言えます。

そのダイナミックプライシングは、現在、情報技術の発展、特にAIの発展により大量の商品や需要予測が簡単でない商品に対しても行えるようになり、需給や競合価格をもとに適切な値段設定を自動で行えるようになったのです。