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AIロボットがコーヒーを提供「root C」JR新橋駅に限定設置 1,980円で月8杯まで

少し優雅な通勤時間に

New InnovationsはJR東日本クロスステーションデベロップメントカンパニーと協業し、AIカフェロボット「root C」を4月27日よりJR東日本 新橋駅北改札外に期間限定で設置することを発表した。設置機会んは8月下旬までを予定している。鉄道利用者の利便性向上のため、1杯あたりの抽出時間を短縮した「root C」の駅構内運用モデルの運用開始はこれが初となる。

JR新橋駅北改札周辺MAP

「root C」のシステム

「root C」はアプリから注文すると、指定時刻にロッカーからスペシャルティコーヒーを受け取れるサービスだ。コーヒー需要を事前に予測して抽出を開始するため、ユーザーは「root C」での前で待つことなく、コーヒーを受け取ることができる。

料金は月8杯まで飲める「Limited Plan」が月額1,980円、無制限で飲める「Unlimited Plan」が月額7,980円となっている。
また単品購入も可能であり、料金は1杯450円となっている。

「root C」のビジネスモデル

「root C」はビジネスモデルはサブスクリプション・ビジネスの中でもインストアサービス型に属する。
通常よりも安価に利用できるサービスであり、期間内のサービス利用料金が定額のため、利用者は支払い面での不安を感じることなく利用できるのが特徴だ。
また、複数パッケージ価格モデルも採用しており、ユーザーの利用頻度や利用量にといったセグメントごとに価値と合う価格で提供することができる。

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サブスク成長率、437%に達する Zuora調査によって明らかに

Zuoraによる調査

サブスクリプションビジネスの収益化を推進するプラットフォームを手がけるZuoraは4月16日、半期ごとに調査しているサブスクリプション・エコノミー・インデックス(SEI)の2021年最新日本語版を公開した。

この調査では、サブスクリプションビジネスが、過去9年間でS&P500の約6倍で成長したことが明らかになっている。
調査会社Harris Pollの協力のもとに、ZuoraのSubscribed Instituteが12ヵ国1万3,626の成人を対象にオンラインで実地した調査では、実際のモノを所有することよりも、サブスクリプションサービスを好む消費者の志向傾向が強くなっていることが示された。

そもそも、サブスクリプションサービスとは

従来、モノを購入し、所有するのがスタンダードであったが、現在では、使うという経験を重視し、モノを所有することへの関心が薄れている。
そうした人々のニーズに合わせ、事業や製品をサービスとして扱い、定額制で利益を得るというビジネスモデルがサブスクリプションである。

サブスクリプションビジネスの発展

今回の調査によると、世界各国の解答者の約78%がサブスクリプションサービスを利用しており、2018年の約71%を大きく上回った。さらに、75%が将来的により多くのサブスクリプションサービスを利用すると解答している。
料金に関しては、解答者の72%が定額料金よりも自身が利用した分だけ支払う形が良いとしている。
サブスクリプションサービスのメリットとして利便性やコスト節約を重視していることもわかった。

このような消費者のライフスタイル志向が急速に強まったことで、サブスクリプションビジネスの成長が起きた。
SEIは2012年の統計開始以来、サブスクリプションビジネスによる影響を、業界ごとに分析し、サブスクリプションビジネスとS&P500企業のベンチマークを比較してきたが、その分析の結果、サブスクリプション・ビジネスの成長率は437%に達した。

サブスクリプション・エコノミー・インデックス(SEI)日本語版の全レポートはこちら

サブスクリプションの導入事例

サブスクリプションビジネスはどんどんと拡大しており、今では時価総額上位の企業も多く導入している。
こうした動きは今後も強まり、さらに多くの企業がサブスクリプションを導入するだろう。

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サブスク型動画投稿プラットフォーム「mediable」 サブスク流通金額74%増加

新しい動画投稿プラットフォーム登場

TRIVE GROUPが運営する、動画クリエイター向けクラウドファウンディング「mediable(メディアブル)」は23日、3月のサブスク流通金額が前月比74%増加したことを発表した。
現在チャンネル登録者数数千〜数十万人の中堅Youtuberを中心に、コロナによって不安定になった広告収入型動画プラットフォームから、ファンからのサブスク収益が積み上がっていくサブスク動画プラットフォームに移行するYouTuberが増えている。
2021年4月時点で、「mediable」にて、チャンネル開設からわずか3ヵ月でサブスク会員が400名を突破した事例もある。

「mediable」の特徴

「mediable」はクリエイターへの収益還元率が高いのが特徴で業界最高率でクリエイターに収益が還元される。

また、細かな規約がないため、好きなことや、やりたいことに向かって活動しているクリエイターをターゲットにできている。
こうしたシステムが反響を呼び、月額サブスク流通金額が前月比74%増を達成した。

「mediable」のビジネスモデル

「mediable」のビジネスモデルがサブスクリプションビジネスの中でもデジタルコンテンツ型に属する。過去から最新のものまでコンテンツがアーカイブされ、利用者は時間、場所を選ばず利用できるのが特徴だ。

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珈琲と小説が毎月届くサブスク「ものがたり珈琲」と、フォトコンテストサイト「Camecon」がコラボ


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珈琲と小説が毎月届くサブスク「ものがたり珈琲」と、フォトコンテストサイト「Camecon」がコラボ

ブレンドと小説をセットでお届けする体験型コーヒーのサブスク「ものがたり珈琲」を運営する、絆家は誰でも気軽に応募できるフォトコンテストサイト「Camecon」を運営するラグナロクとコラボし、6月限定発売の「雨のブレンド」の発売に合わせて、雨をテーマにしたフォトコンテストを開催することを発表した。

グランプリに輝いた作品は、6月のコーヒーボックスに同封のオリジナルの小説付きポストカードとして製品化される。

「ものがたり珈琲」とは、日常のシーンを切り取り、 気持ちに合わせたブレンドとオリジナルの短編小説を毎月セットで お届けする新感覚の体験型コーヒーの定期便(サブスク)である。

「大切な人と語りたい夜に」「静かに自分と向き合いたい時に」など、誰にでもある日常の1コマを切り取り、その時の気持ちに寄り添って作ったブレンドとオリジナルの短編小説(WEB)を毎月2種類提供している。

月額¥1,598(税込)で毎月テーマに合わせた2種類のコーヒーと2種類の短編小説のセットとなっている。

このようなサービスはサブスクリプションの中でも定期購入型モデルと言われる。

定期購入モデルとは

定期購入型モデルとは、顧客に対して特定の製品を販売するビジネスモデルである。扱われる商品は、飲料水やサプリメントなど、日常的に使用する商品が多い。

定期購入型モデルのメリットとして、在庫商品の消費や売上に関する計画が立てやすいことが挙げられる。

近年目にすることが多くなったサブスクリプションには定期購入モデルの他に、頒布会(はんぷかい)モデル・利用権利型モデル・レコメンドモデルの三つがある。

それぞれに別のメリットが存在し、それらを組み合わせて成立しているサービスも数多く流通している。

サブスクリプションの4つのビジネスモデルに関する詳しい記事はこちら。

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ファルボ 高校を一覧で調べることができる「高校図鑑」を月額3万円サブスクでスタート、学生は無料


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ファルボが新サービス開始 高校比較サイト「高校図鑑」

ファルボは2021年4月14日高校情報に特化した検索サイト「高校図鑑」(https://eduzukan.jp/hs)をオープンした。

全国の高校1,400校(2021年4月14日時点)の情報を掲載しており、​学生は全て無料で閲覧することができる。

ファルボは月額3万円で、サブスクリプション形式で主に下記4点のサービスを学校に提供する。

  • 掲載と自由編集
  • オンライン説明会・相談会
  • ダイレクトレスポンスメール
  • アクセス解析ツール

高校受験はほぼ全ての中学生が経験するのが大多数であるのにも関わらず、詳細情報までの閲覧できる高校検索サイトは数少ない。そのような中、子どもと教育機関の“合う”“合わない”が入学前にある程度判断できる場所を提供するためにサービスを始めたという。かつての中学図鑑に加えて高校図鑑の展開により、中学から高校までの全ニーズに応えるサービスを目指す。

「高校図鑑」のビジネスモデル

「高校図鑑」のビジネスモデルはサブスクリプションである。サブスクリプションとは、定額制で利用者に継続的に料金を支払ってもらい、使用権を定期購入するビジネスモデルである。

単発的に購入してもらう「売り切りモデル」と比較すると、顧客と長期的な関係を築くことができるため、顧客データが集まりやすい、収益が安定するなどのメリットがある。

サブスクリプションモデルのメリットに関する詳しい記事はこちら。

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ゴディバ サブスク1年間継続特典プレゼントスタート


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ゴディバ サブスク1年間継続特典プレゼントスタート

ゴディバは2021年5月お届け分より、1年間継続してご利用いただいた方を対象にオリジナルのポストカードフォルダをプレゼントすることを2021年4月15日に発表した。

ポストカードフォルダは、ゴディバのチョコレートや焼菓子などのお届けに毎回同封しているポストカードやお好きなお写真などが収納でき、ゴディバ『95周年 アニバーサリー』のモチーフをデザインされている。

ゴディバはオンラインショッピングモール『subsc』にて昨年4月より、月額2,160円〜5,400円(税込)でライフスタイルに合わせた全6セットを提供している。

有名店からこだわりの専門店まで、全国の注目ショップが出店する『subsc』は、各ショップの厳選アイテムが“毎月1回・定額” で届く『サブスクリプションボックス』専門オンラインショッピングモールである。

今更聞けないサブスクリプション導入のメリット

サブスクリプション導入には主に3つのメリットがある。

それは

①継続的な収益が見込めること

②顧客と長期的な関係が構築されることでサービスを改善しやすいこと

③新規顧客を獲得しやすいこと

である。

サブスクリプションは、顧客に定額かつ継続的に課金してもらうため、収益に持続性があるビジネスモデルである。サブスクリプションは、多くの業界で導入が加速しており私たちの日常にとって当たり前になりつつある。

さらにサブスクリプションは、企業にとってメリットがあるだけではなく、顧客にとっても様々なメリットがある。

サブスクリプションモデルのメリットに関する詳しい記事はこちら。

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価格の心理テクニックまとめ(威光価格、アンカー効果、閾値、プロスペクト理論など)

初めて買う商品を選ぶ時に、無意識のうちに真ん中の価格のものを選んだ経験はないでしょうか?

また、198円や980円などの価格はよく存在しますが、わざとキリの悪い数字にするのはなぜでしょうか。

実は価格と心理学は密接に関係しています。そのため価格戦略を立てる際に、様々な心理効果を知っておくことはとても重要だと言えます。この記事では、価格に関係する心理効果やプライシングのノウハウについて、実際の事例を交えながら解説します。


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価格は品質指標になる

価格は、顧客が商品を選ぶ際、品質指標になります。一般的に、価格と需要量は反比例し、価格が高くなるにつれ需要は減っていくと考えられています。

しかし家具や消費財などでまだ購入したことがない商品や、ほとんど購入しない商品を選ぶ際、この法則が通用しないことが多いのです。それは経験則により、価格は高いと品質が良いと考え、逆に低価格であることは品質への懸念を抱くように、価格が消費者にとって商品の品質を評価する基準になるからです。この場合では価格を上げると単位あたりの売上高も増える可能性があるのです。

プラシーボ効果とは

プラシーボ効果とは本来、商品の品質がそこまで高くないが、価格の高さによって相応の品質があるように錯覚する効果のことです。

ある研究では、同じパワードリンクで価格が値引きされているものと正規価格のものを飲んだ際、正規価格のものの方が効果が現れたとされています。このように価格の品質指標としての効果が時に認知レベルを超えることがあります。

威光効果とは

威光効果とは「一つの領域でのイメージが全体のイメージに影響を及ぼす現象」のことを言います。具体的にいうと、高価格というイメージが、その商品や企業の全体の品質やステータスとしての評価に良い影響を与えるということです。

例えばフェラーリのようなハイブランド商品は、価格が高くなるとむしろ需要上がりますが、その要因は価格が品質指標になっていること以外にもあります。

それは価格がステータスや社会的名声のシグナルになっているということです。高級ブランドでは商品を所有・サービスを享受すること自体がステータスとなります。

このように価格は買い手に付加的レベルの社会的心理効用を与えるため、価格戦略に役立てることができます。

威光価格

威光価格とは、威光効果を活用した際に設定される価格のことです。顧客に対して高品質な商品・サービスであることを示すために、あえて高く設定するという戦略で用いられます。

しかしブランド力が高くない状態で価格を高く設定するのは、顧客の支払い意欲が高くないため危険です。値上げは顧客の支払い意欲が上がってから、それに伴って行うというやり方が良いでしょう。

アンカー効果とは

価格のアンカー効果とは顧客が商品の品質について評価をする時に、アンカーという最初に目にした価格が購買判断に影響する心理効果のことです。

船の錨(アンカー)が語源となっており、最初に錨を海底に下ろして、その範囲内を動く船から名付けられました。

顧客は目の前にある情報が、正しいものか確かめることができない際にアンカー効果は働きます。アンカー効果を利用している例として次のようなものがあります。

松竹梅効果

松竹梅効果とは、松竹梅のように複数の価格帯が存在する時、真ん中の価格帯が一番売れるという現象のことです。

買い手は商品を選ぶ時できるだけ最善の意思決定をしようとするため、中間の価格帯である商品を選ぶことで、品質が劣るものを購入するリスクや、多く払い過ぎてしまうリスクを同時に軽減しようします。

この時、顧客にとって真ん中の価格帯は魅力的に見えるため、複数の適切な価格帯を揃えてアンカーを設置することで、意図的に一定の価格に誘導することができます。

誰も買わないのに収益に貢献する商品

たとえ誰も買わなかったとしてもアンカーとして品揃えに加えることで、収益に貢献する商品が存在します。

それは高額商品です。品揃えに加えることでアンカーとして機能させ、顧客の支払意欲を引き上げることができます。

例えばラグジュアリー店で、あらかじめ予算が決まっている顧客に対して、それをはるかに超える金額の商品を最初に提示すると、予算以上の商品を購入してもらえる可能性が高くなるのです。

アンカー効果を利用した価格戦略

アンカー効果を生かした価格戦略として、顧客に商品の情報や知識がなかったり、その価格帯に関する情報を持っていない場合に、アンカーを設置して、一定の価格に誘導したり、一回あたりの支払意欲を上げる手法が有効です。

しかし顧客には、「商品やサービスを購入したいと思う価格のレンジ」が存在するため、

アンカーを設置する前に、その価格レンジを理解しておく必要があります。

そして、その際のアプローチとして使われるのが、PSM分析です。PSM分析について詳しくはこちらをご覧ください。

また、アンカー効果について詳しい記事はこちらをご覧ください。

閾値とは

価格の閾値とは、それを超えると常に売上に顕著な変化が生じる境界線のことです。

通常100円、500円、1,000円、10,000円というキリのいい価格ポイントの近くで起こる傾向になります。

たった数円の価格改定でも、閾値を超えると大幅に売上が変化するため、売り手にとって、価格の閾値を知ることはとても重要だと言えます。

参考:端数価格とは

端数価格とは閾値を利用した価格戦略の一つで、198円や980円のように端数をつけて消費者に安さを印象づける価格のことを指します。

日本では「8」を端数とすることが多いですが、欧米では1.99ドルや199ドルのように「9」を端数とすることが多いです。スーパーマーケットなどの小売業で多く見られ、比較的低価格の商品に設定されます。

閾値を利用した価格戦略

閾値は値上げ時、値下げ時の両方で閾値を理解しておくことは重要です。

まず売り手が値下げを行う際は、閾値を超えるまで価格を下げないと効果が出にくいです。そのため、端数価格のように閾値を超えるまで価格を下げる手法が有効だと言えます。

逆に売り手が値上げをする場合は、価格が閾値を超えない必要があります。価格の閾値を超えてしまうと、売り上げの急落を招く恐れがあるため、その一歩手前で止める手法が有効だと言えます。特に、売り切り型ビジネスと違って、サブスクリプションビジネスの場合、一度顧客が離れた場合、売上の回復には非常に時間がかかります。閾値を超えたことで離脱した顧客は、価格を戻しても戻ってこない場合が多いためです。

サブスクリプションビジネスで顧客が感じる価値を上げながら、閾値直前まで値上げをしていき、増収する手法で成功を収めているのがNetflixです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

また閾値、端数価格について詳しい記事はこちらをご覧ください。

プロスペクト理論とは

プロスペクト理論とは、利益や損失に関わる意思決定のメカニズムをモデル化した理論のことです。

この理論では効用という言葉がよく使われますがこれは「消費者が財やサービスを消費することによって得る主観的な満足の度合い」のことを言います。

この理論で大切なことは主に二つです。

1つ目は利得を感じると効用は確実に増えるが、その割合は減っていくということです。これは最初に1万円を得たときの高揚感は、さらに1万円を得たときの高揚感よりも大きくなることを指します。また、逆に損失の場合も同じことが言えます。

2つ目は利得と損失のインパクトが違うということです。1万円をもらった、直後に返さないといけなくなる場面があったとすると、金額的には損も得もしていないが、精神面で喪失感のようなものが残るというものです。

このように同じ大きさの利得と損失を感じたとしても、私たちが損失の際の効用の方が、利得の時の効用よりも大きくなるのです。

現金かクレジットカードか

顧客は現金で支払うよりクレジットカードで支払うことを好む傾向にあります。

その理由は、カード払いは現金払いと比べて、手元からお金が離れることによって生まれる負の効用を感じにくいからです。

カード払いの場合、署名やパスワードを打ち込むだけで決済が完了します。しかし現金払いの場合、財布の中のお金をレジの担当者に渡して、レジに収納される様子を見て初めて決済が完了します。つまり、カード払いは現金払いより、支払いをしているという「感覚」が薄いのです。

そのため同じ金額でも、現金払いの方がお金を支払うことによって生じる負の効用は大きく、顧客はクレジットカードで支払いをしたくなるのです。

プロスペクト理論を生かした価格戦略

プロスペクト理論を生かした価格戦略としてキャッシュバックやムーンプライスのように価格設定や見せ方によって顧客に新たな正の効用を生み出す仕組みを使用することが有効です。

キャッシュバック

キャッシュバックとは商品を購入してもらった後に一定の額を現金やギフトカード、ポイントなどで返すというものです。例えばPanasonicでは、2021年4月23日(金)からテレビやブルーレイレコーダー購入で最大9万円をキャッシュバックするキャンペーンを行っています。

何故最初から値引きをしないで、わざわざキャッシュバックをするのでしょうか。

それは本来ならお金を支払って生まれた負の効用が、商品を所持・消費することで生まれる正の効用によって帳尻が合うという仕組みになっています。

しかしキャッシュバックという仕組みを使うと、この一連のプロセスが終わった後にお金を少し返すので、追加で正の効用が生まれることになります。そのため、顧客の満足度はあらかじめ値引きをしている時より上がるのです。

ムーンプライス

ムーンプライスとは表示価格でも、誰も決して払うことがない価格のことです。180万円で売ることが決まっていても、200万円という価格を見せてから10%引きで180万円にするような手法のことです。

実際、ZOZOTOWNのサイトでは割引を行う時、値引きされた後の価格だけでなく、元々の価格と割引額を表示しています。

これは値引きされるということで普通の決済に加えて正の効用が生じるため、顧客は得をした気分になるというものです。しかしこの手法は大袈裟な価格を設定しすぎると、表示価格での信憑性を失うので注意が必要です。

キャッシュバックや、ムーンプライスに加えてキャッシュレスなどを導入すると、支払い時に負の効用が生まれにくいため購買意欲が上がるため有効だと言えます。

このプロスペクト理論は、多様化する顧客の購買意欲を上げるにはとても有効的な手段なため理解して置くことは大切です。

まとめ

この記事では行動経済学や神経経済学を元に、価格の心理テクニックを紹介しました。心理テクニックは鵜呑みにするのは危険ですが、知っておくことで価格戦略に大きく役立てることができます。

皆様の事業が価格によって、より加速することを願っております。価格についてのご相談はお気軽にプライスハックまでよろしくお願いします。

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価格の心理テクニック④(プロスペクト理論)

キャッシュバックという言葉を目にしたことはないでしょうか。商品を購入した後にいくらかのキャッシュバックを受け取れるという仕組みがあります。

あなたは支払いの場面で、ついついクレジットカードを使ってしまう経験はありませんか?

実際、買い手は現金払いより、クレジットカード払いを好むようです。それは実は「プロスペクト理論」という考え方によって説明できるのです。

この理論はマーケティング領域に様々な方法で利用されており、価格戦略を立てる際に、大きく役立てることができます。

この記事では、この理論を活用したプライシングのノウハウについて、実際の事例を交えながら解説します。


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プロスペクト理論とは

プロスペクト理論とは、利益や損失に関わる意思決定のメカニズムをモデル化したもので、KahnemanとTverskyによって1979年に提唱されました。

プロスペクト(prospect)は「予想」「見通し」という意味を持ちます。その名前の通り「不確実性を伴う状況において、ある事象が生じる確率やそこから得られる損得が分かっている場合にどのような意思決定を行うか」を表しています。

この理論はよくグラフにて表されます。次のグラフをご覧ください。

横軸は損得の度合い、縦軸は効用の度合いです。効用とは「人が財を消費することから得られる満足度」のことです。

このように参照点という真ん中の点を境に損失局面と利得局面とにわけられます。

このグラフからわかることは主に2つあります。

1つ目に利得を感じると効用は確実に増えますが、その割合は減っていくということです。これは最初に1万円を得たときの効用は、さらに1万円を得たときの効用よりも大きくなるということです。また、これは逆に損失の場合も言えます。

重要なのは2つ目です。それは利得と損失のインパクトが違うということです。グラフを見ると損失局面の曲線の方が、利得局面の曲線より角度が急になっています。

これは同じ大きさの利得と損失を感じたとしても、私たちが損失の際の効用の方が、利得の時の効用よりも大きくなるということです。

例えば、宝くじを購入したとします。インターネットで当選番号を確認したところ自分の番号があり、三億円が当たりました。しかし、その一時間後に電話がかかってきて「すいません。今回の抽選は無効となり、あなたはハズレとなりました」と告げられたとします。

すると「当選者」になったはずが突然奈落の底に突き落とされたように感じるはずです。損得だけを考えるとプラスマイナス0なのにも関わらず、このやり取りを終えた後では大きく損失による痛みを感じてしまうはずです。

この事例のように、等しい量の利益と損失があった場合、損失によって感じる痛みの方が利益によって感じる幸福より大きいのです。そのため、人間はあらゆる場面で、損失を回避する傾向にあります。

プロスペクト理論と価格の関係性

ここまでプロスペクト理論の概要についてお話ししたしましたが、これは価格設定と大きく関係があります。

それは、お金を払うという行為はプロスペクト理論の「損失」にあたり、商品やサービスを購入・利用することは「利得」を意味するからです。

故に価格設定をする際に、プロスペクト理論を知っていて損はないのです。次の項目では日常に起こる様々な現象をプロスペクト理論によって説明します。

事例紹介

無料か有料か

仮にあなたがサッカー日本代表戦のチケットを手に入れたとします。しかし当日、あいにくの雨天になりました。

その際、その試合を観に行く確率は、チケットをプレゼントされた時より、自腹で購入したときの時の方が圧倒的に高くなります。すでに自分の財布で支払ったならば元を取ろうという思いは遥かに強くなるのです。

現金かクレジットカードか

顧客は現金で支払うよりクレジットカードで支払うことを好む傾向にあります。

その理由は、カード払いは現金払いと比べて、手元からお金が離れることによって生まれる負の効用を感じにくいからです。

カード払いの場合、署名やパスワードを打ち込むだけで決済が完了します。しかし現金払いの場合、財布の中のお金をレジの担当者に渡して、レジに収納される様子を見て初めて決済が完了します。つまり、カード払いは現金払いより、支払いをしているという「感覚」が薄いのです。

そのため同じ金額でも、現金払いの方がお金を支払うことによって生じる負の効用は大きく、顧客はクレジットカードで支払いをしたくなるのです。

キャッシュバック

キャッシュバックとは商品を購入してもらった後に一定の額を現金やギフトカード、ポイントなどで返すというものです。例えばPanasonicでは、2021年4月23日(金)からテレビやブルーレイレコーダー購入で最大9万円をキャッシュバックするキャンペーンを行っています。

何故最初から値引きをしないで、わざわざキャッシュバックをするのでしょうか。

それは本来ならお金を支払って生まれた負の効用が、商品を所持・消費することで生まれる正の効用によって帳尻が合うという仕組みになっています。

しかしキャッシュバックという仕組みを使うと、この一連のプロセスが終わった後にお金を少し返すので、追加で正の効用が生まれることになります。そのため、顧客の満足度はあらかじめ値引きをしている時より上がるのです。

ムーンプライス

ムーンプライスとは表示価格でも、誰も決して払うことがない価格のことです。180万円で売ることが決まっていても、200万円という価格を見せてから10%引きで180万円にするような手法のことです。

実際、ZOZOTOWNのサイトでは割引を行う時、値引きされた後の価格だけでなく、元々の価格と割引額を表示しています。

これは値引きされるということで普通の決済に加えて正の効用が生じるため、顧客は得をした気分になるというものです。しかしこの手法は大袈裟な価格を設定しすぎると、表示価格での信憑性を失うので注意が必要です。

まとめ

今回の記事ではプロスペクト理論という顧客の意思決定のメカニズムについて解説しました。プロスペクト理論はマーケティング領域に様々な方法で利用されている為、価格戦略を立てる際に、この原理を知っておくことは大切です。

プライシング・価格戦略にお悩みの事業者様は、一度プライスハックにお問い合わせください。

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BI(ビジネスインテリジェンス)ツール業界の料金体系比較まとめ調査・価格設定の考察

この記事では、BI(ビジネスインテリジェンス)ツール業界における各社の価格調査および価格設定に関する考察をおこないます。


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BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは

BIツールとは、日々企業に蓄積されるデータを分析し、意思決定に活用することを助けるシステムです。BIは「Business Intelligence」の略語で、組織のデータを収集・蓄積・分析して可視化することで、経営上の意思決定に役立てる技術や手法を指します。

近年は「データドリブン経営」や「データドリブン・マーケティング」に注目が高まっており、BIツールは、こうしたデータを活用した経営やマーケティングを支援するツールです。BIツールは可視化・分析・計画までをツール上で可能にするため、次のような機能が備わっています。

機能 概要
レポーティング 必要なデータを抽出し、見やすいようにまとめて表示する
OLAP分析 蓄積したデータを分析処理し、データの要因を深堀り特定する
データマイニング 蓄積したデータに対して統計的な処理を行い、有益な情報を引き出す
プランニング 過去のデータをもとに、計画のシミュレーションを行う

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの価格・料金体系の概要

BIツールは、主に月額制の利用料金を設定しています。その中でも「単一価格モデル」「複数価格モデル」という2つの価格体系が設定されています。さらに、無料でサービスを試用できる体系として、無料トライアルが設定されています。

BIツールと似た料金体系を採用している業界には、採用管理システムやMAが挙げられます。契約した企業ごとの価格になる理由として、一部の部署でしか利用しないシステムはユーザー数が増えることが見込みにくいからです。

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの価格体系比較

現在、公開されているBIツールの価格一覧は以下の通りです。

サービス名 月額料金 価格体系 無料
トライアル
ボリューム
ディスカウント
Data Knowledge 500,000円〜 単一価格モデル(※1)
Canbus 10,000円〜 複数パッケージ価格モデル
GoodDate 40,000円〜 複数パッケージ価格モデル
Zoho Analytics 2,700円〜 複数パッケージ価格モデル

(※1)追加オプション機能は、従量課金モデル×複数価格モデル

(調査日:2021年4月2日)

BIツールでよく使われている価格体系

BIツールにおいては、従量課金モデルと複数パッケージ価格モデルの2種類の価格体系が採用されています。

単一価格モデル

概要

単一価格モデル(Flat rate pricing model)とは、サービスに対して料金体系が1つであるサブスクリプションモデルです。全てのユーザーに対して単一の製品・機能・価格を提供するため、SaaSの価格体系の中でも最もシンプルなものになります。例えば、ターゲットセグメントが画一的であったり、機能や価値が単一化されているシンプルなサービスで利用されます。

また、事業ニーズがあるかを仮説検証しやすいという観点から、PMFが優先されるシード(新規事業フェーズを含む)・アーリーステージなどで利用されることが多いです。

複数パッケージ価格モデル

概要

複数のパッケージ(いわゆる「プラン」のこと)を提示する、SaaSで広く取り入れられている価格体系です。さまざまなニーズに対応でき、顧客ごとの売上最適化に近づきます。また、質の高い機能や多くのストレージを提供する必要がある顧客に対して、価値に見合った金額を受け取ることができることから、利益を増加させることが可能です。一方で、選択肢が多すぎたり、プランの差が複雑だと顧客にとって検討事項が増えてしまい、購入障壁を高めることにつながるため、顧客ニーズに合致した選択肢を3つ程度に留めるように注意が必要です。

BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの価格体系に関する考察

BIツールのプライシングにあたっておすすめしたい価格体系は次のモデルです。

月額料金は複数パッケージ価格モデルを推奨

BIツールには、複数パッケージ価格モデルが推奨されます。複数パッケージ価格モデルは、複数の価格帯で提供することで、複数の顧客セグメントに対してのニーズを満たすことが可能です。例えば、個人向けのサービスであれば、ユーザーの利用頻度や利用量、法人向けのサービスであれば、大企業か中小企業かで、セグメントごとに価値と合う価格で提供できます。

また、貯めるデータ数が多いほど利用価値が高まるため、データ数や連携できるシステム数の上限をパッケージの区分とするのが推奨されます。

無料トライアルを推奨

無料トライアルを採用している企業が多く、無料トライアルを提供している企業に潜在的な顧客が流れてしまう恐れがあります。業界で確固たる地位がない限り、無料トライアルでまずは使ってもらうようにすることが大切でしょう。

無料トライアルとよく混同されるフリーミアムですが、BIツールにおけてフリーミアムは相性が悪いです。フリーミアムは、基本的な機能を無料で利用できるものの、機能や容量などを追加して利用する際に課金が発生します。多岐にわたる分析の過程で適切に制限をかけることは難しく、価値を正しく理解されない場合が多いためです。

プライシングを適正化するためには

ここまで、BIツールに最適な価格体系について考察してきました。最適なプライシングは、大きく3つの要素から決まります。

①顧客:顧客は誰か、顧客は自社の製品の何に価値を感じるか(ある機能、ユーザー体験、外部ツール連携など)、顧客セグメント(SMB、エンタープライズなど)によって支払意欲は大きく変わります。どんな顧客の課題を解決するために生まれたプロダクトか、現在の顧客はどのような属性かといった内容をプライシングに反映させる必要があります。

②競合:誰が競合なのか、競合はいくらで提供しているか、競合との価値の違いは何かを把握する必要があります。SaaSにとっては、同じSaaSの競合の他、買い切りソフトウェアや代替サービスも競合となるので注意が必要です。

③コスト:販売するほど生まれるコストはいくらか、販売量によってコスト構造は変わるかを検討します。SaaSにとっては、開発コストの他、カスタマーサクセスのコストを検討する必要があります。

これらの要素は、絶えず行われる機能アップデートや、大型ファイナンスによる積極的なマーケティング、組織拡大などから日々変化します。理想は四半期に一度、少なくとも半期に一度は、価格改定をするべきです。米国では約40%のSaaSスタートアップが少なくとも半期毎に価格を見直しているというデータもあります。

社内で画一化された分析手法を確立し、迅速な意思決定ができる体制を構築する必要があるでしょう。それには、プライシング分析の専任者を採用するか、プライシングの分析ツールを導入するのが最も効果的です。実際のところ、国内スタートアップでは、まだまだ価格分析におけるアプローチが浸透していないのが現状で、専任者の採用は困難を極めます。費用的にも圧倒的にお得なPricing Sprintなどのプライシングの分析ツールが最も手軽なアプローチといえるでしょう。

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T2D3とは?SaaS企業の成長指標・達成のための7つのフェーズとプライシング戦略

T2D3という用語は、2015年にベンチャーキャピタリストのNeeraj Agrawal氏によって提唱され、SaaS企業が急成長を遂げ、高い企業価値を実現させるために達成すべき数値として世界的に知られるようになりました。

この記事では、T2D3という用語の意味と定義、達成するために行うべき施策、さらには成長フェーズに応じたプライシング戦略の考え方についても解説します。

T2D3とは

「T2D3(ティーツー・ディースリー)とは、ARR(サブスクリプションの年間売上)が1億円を突破してから、3倍(Triple)で2年、2倍(Double)で3年というペースで売上が伸びる状態を示した、SaaSスタートアップの成長スピードをはかる指標のことです。

T2D3という用語は、SaaSに数多く投資するBattery VenturesのNeeraj Agrawal氏が提唱したとされ、2015年2月に同氏がTech Crunchのエントリを公開したことで有名になりました。

T2D3を達成するための7フェーズとプライシング戦略

Neeraj氏のエントリでは、SaaS企業が市場参入してから成功するまでの段階を7つのフェーズに分け、それぞれで行うべきことを解説しています。具体的には、次の7つです。

  • フェーズ1:PMFの確立
  • フェーズ2:ARR(年間経常収益)200万ドル達成
  • フェーズ3:ARR600万ドル達成(3倍)
  • フェーズ4:ARR1800万ドル達成(3倍)
  • フェーズ5:ARR3600万ドル達成(2倍)
  • フェーズ6:ARR7,200万ドル達成(2倍)
  • フェーズ7:ARR1億4400万ドル達成(2倍)

フェーズ1:優れたPMFの確立

フェーズ1では、まずプロダクトマーケットフィット(PMF:Product-Market Fit)と呼ばれる顧客の課題を満足させるSaaSを提供し、それが適切な市場に受け入れられている状態の確立を目指します。事業化するための顧客セグメントを見つけ出し、顧客獲得を優先すべきフェーズです。

プライシング戦略のポイント
スタートアップのステージでいうと、いわゆるシード期にあたります。このフェーズでは、企業はすでに規模の大きくなっている企業のように、既存顧客のデータをもとにプライシングを行えません。プロダクトをローンチしたばかり、またはローンチできるかどうかという時期のため、価格設定に割く時間は最小限に抑えながらも、次のような複数の切り口からデータを集め、意思決定を行えると良いでしょう。

フェーズ2:ARR(年間経常収益)200万ドル達成

フェーズ2では、ARRで200万ドルを目指します。1社あたりの平均経常収益が3万〜8万ドルと仮定すると、30〜60社の顧客を獲得できている状態を意味します。

フェーズ3:ARR600万ドル(3倍)達成

フェーズ3では、ARRをフェーズ2の3倍である600万ドルを目指します。この「最初のトリプル:T1」を達成するために、Neeraj氏はセールスリーダーと、5〜10人のセールスを採用して計画を進めるべきだと説いています。

プライシング戦略のポイント
フェーズ2、3あたりのミドル期になるとプロダクトのMVPは完成していて、誰が顧客なのかといったデータは揃ってきます。シード期に一旦置いていた価格をリ・デザインし、既存・潜在顧客がフェアと感じるプライシングを「パッケージ」として完成させる必要があるでしょう。

フェーズ4:ARR1800万ドル(3倍)達成

フェーズ4では、ARRをフェーズ3の3倍である1,800万ドルを目指します。フェーズ3からさらに半分以上セールスを増員し、10〜20人程度で推進していき、CEOはマネージャー育成と大きなアカウント獲得について時間を費やします。

プライシングの戦略ポイント
このあたりはレイターステージといっていいでしょう。すでにプロダクトラインは拡大していて、より広い顧客ベースにサービスを提供しており、事業としての複雑性は増している状況です。ここでは、複雑さを適切に整理し、オンライン上での顧客への見せ方をどうするかによってレイターになっても成長速度を上げられます。料金ページを常にアップデートし続ける、価格プランごとのペルソナを設定する、などの施策を行いましょう。

フェーズ5:ARR3,600万ドル(2倍)達成

フェーズ5では、ARRをフェーズ4の2倍である3,600万ドルを目指します。約20〜30人のセールスと3〜5人のマネージャーの組織を編成します。Neeraj氏は、このフェーズでの課題として「グローバルでの販売展開」であると指摘します。CEOは、英国、フランス、ドイツなどのEMEA地域におけるセールスを機能させるためにも、英国に3〜5人、その他の国で1,2人のセールス担当を配置します。

フェーズ6:ARR7,200万ドル(2倍)達成

フェーズ6では、ARRをフェーズ5の2倍である7,200万ドルを目指します。ここで取り組むべきは、非線形成長を確立すること、またはリセラーやパートナーチャネルを機能させることです。Neeraj氏は、ARR5000万ドル達成前にこうしたチャネルを立ち上げるのは時期尚早であり、また数十社ではなく、1、2社のパートナーとの生産性を高めることが重要だと指摘します。

フェーズ7:ARR1億4,400万ドル(2倍)に到達

フェーズ7では、ARRをフェーズ6の2倍である1億4,400万ドルを目指しますが、ここまでくれば企業価値10億ドル、IPOが見えてきます。しかしこれがゴールではなく、IPO後にさらなる成長を目指していくことになります。

T2D3を達成した海外SaaS企業事例

前述したプロセスでARRが成長していけばT2D3となり、急成長を遂げているSaaSスタートアップとして世界的にも高く評価されます。しかし、これを達成することは簡単ではありません。次の7つの企業は、いずれもT2D3の指標を達成したSaaSですが、T2D3を達成したあともグローバルで高い成長を遂げている企業ばかりです。

  • Marketo
  • NetSuite
  • Omniture
  • Salesforce
  • ServiceNow
  • Workday
  • Zendesk

一方、日本のSaaS企業の中でT2D3を達成している企業はあるのでしょうか。

各SaaS企業の決算発表資料やメディアでの発言を調べたところ、SmartHR、プレイドといった企業がT2D3達成を目指していると発言していますが、2021年4月時点では、まだT2D3を達成しているとSaaS企業はないように思えます。もしT2D3を達成している企業があれば追記しますので、ぜひ編集部にお問い合わせください。

富士キメラ総研の調査によれば、日本国内SaaS市場は2024年に1兆円規模に達すると予測されており、今後ますますの成長が見込める領域です。国内からもグローバルで広く普及するSaaSが生まれることを期待したいです。

すべてのSaaS企業はT2D3を目指すべきか

T2D3は、投資家がSaaS企業の事業成功を予測するための指標として使用されますが、「T2D3を達成できない=SaaSとして失敗している」というわけではありません。日本のSaaS市場と米国とではマーケットの規模も異なるため、単純にT2D3の指標を当てはめるべきかどうかは議論の分かれるところです。

しかし、世界を見据えてグローバル市場をターゲットにしているSaaSであれば大いに参考にすべきでしょう。フェーズ5のARRを達成するにはドメスティック市場だけでは難しく、グローバルでの販売展開戦略がカギを握ります。

T2D3ペースで成長するためにプライシング戦略の見直しを

T2D3を達成している多くのグローバルSaaS企業で実践されているのが、プライシングの見直しです。2021年4月に開催されたセミナー「グローバルトレンドから考える サブスクビジネスのプライシング戦略」では、実際にグローバルSaaSが策定、実行しているプライシング戦略が解説されています。

プライシングを見直す企業のLTVは11倍を超える

セミナーに登壇したSTRIVE 四方智之氏によれば、「米国のスタートアップのじつに80%が年1回に価格の見直しをしており、そのうち40%は2回以上行っている」といいます。

また、計画的にプライシングを見直している企業とそうでない企業で、ユニットエコノミクス(LTV/CAC)に大きな差が出ており、継続的にレビューしている企業の11.1倍に対し、価格改定しない企業は1.7倍程度にとどまっています。

詳しい内容は次の記事をお読みください。

T2D3のスピードで成長したいSaaS企業、急成長をめざしたいサブスク事業者にとって、プライシングの課題に取り組むことは非常に大切です。

戦略的なSaaSプライシングを実践したい方は、無料ホワイトペーパー「ワークショップ形式で理解するSaaSプライシング実践の基本」をご一読いただくか、プライスハックまでお気軽にお問い合わせください。

プライシングによって皆さまのSaaS事業成功のお手伝いができることを楽しみにしています。