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超低価格戦略とは?意味、成功した企業事例、6つの成功要因について解説

近年、新興国市場では超低価格セグメントが形成されています。これは極めて巨大なセグメントで「21世紀の最大の市場機会」ともいわれます。
では、どのようにしたら超低価格セグメントを獲得できるのでしょうか。今回は、その答えとなる超低価格戦略について解説していきます。


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超低価格戦略とは

超低価格戦略とは、新興国の超低価格セグメントの獲得を目的とした戦略のことです。この戦略では、低価格戦略よりもさらに50〜70%安い価格で商品やサービスが販売されます。

新興国の貧困層の人は、先進国では当たり前になっている一般的な製品に手が届きません。そのため、価格を極めて低く抑えることが必要になってくるのです。

また、人類の86%の年間世帯所得が1万ドル以下であるという事実から分かる通り、超低価格セグメントは無視のできないほど巨大で、「21世紀の最大の市場機会」ともいわれています。

超低価格戦略で成功した企業の事例

超低価格戦略で成功した企業について紹介していきます。

タタ

インドの大手自動車メーカーであるタタは、超低価格戦略で成功している例として有名です。
特に、2008年から販売された「タタ・ナノ」は、日本円で1台約20万円ほどで、世界中から注目を浴びました。

ドイツの自動車サプライヤー9社がこの車に部品や技術を提供したのです。
そのため、超低価格にもかかわらず、西欧の主要サプライヤーの持つテクノロジーが驚くほど大量に用いられていました。

タタ・ナノ(出典:Tata Motors)

ホンダ

日本の大手自動車メーカーであるホンダも、超低価格戦略で成功している例として有名です。
安さが求められるベトナムの市場にて、ホンダは「ホンダウェーブ」を日本円で約8万円で販売し、中国の競合企業からシェアを勝ち取りました。

安価のホンダウェーブ(出典:バイクブロス)

6つの成功要因

超低価格戦略で成功している企業には共通する戦略があります。ハーマン・サイモンは自身の本「Confessions of the Pricing Man: How Price Affects Everything 」の中で、超低価格戦略における成功要因を次のように述べています。

シンプルだがしっかりと考える

企業は製品を分解して必要最低限のものに留めなくてはならないが、単純化しすぎて不具合が生じるようではいけません。そのため、最低限の品質を考慮する必要があるのです。

現地で研究開発する

現地のニーズに応えるため、企業は研究開発を新興国市場で行う必要があります。研究開発、調達、製造を含むバリューチェーン全体を新興国市場に置くことが望ましいです。

最低コスト生産にロックインする

超低価格を実現するためには、コストをできる限り削る必要があります。そのため、適切な設計と製造能力を持つ最低賃金拠点を選ぶことが大切になります。

新しいマーケティングと営業手法を用いる

たとえ従来の手法を諦めることになっても、なるべく低コストを維持しなければいけません。そのため、新しいマーケティングと営業手法が必要になる可能性もあります。

使いやすくて修理しやすい

サービスや商品が複雑で顧客が機能を理解できないということがないように、使いやすくする必要があります。加えて、サービス・プロバイダが修理に必要なリソースを持っていない可能性があるので、基本的な修理や調整を行いやすい商品にする必要があります。

バラツキのない品質を提供する

超低価格品の品質がただ十分なレベルにあるだけでなく、ばらつきをなくすことも大切です。そうすることで顧客から支持され、持続的成功が可能になります。

まとめ

今回は超低価格戦略について解説しました。

企業が超低価格戦略で適切な利益を持続的に生み出せるかは依然として不透明です。それでも、巨大な超低価格セグメントを獲得するには、抜本的な方向転換、リデザイン、大々的な簡素化、現地生産、極度のコスト意識が求められるということは明白でしょう。

プライシング・価格戦略にお悩みの事業者様は、一度プライスハックにお問い合わせください。

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サブスクリプション

サブスクリプションと相性のいい業界とは?|サブスクサービスの分類と事例解説

サブスクリプションは近年特に注目され、導入する企業も急増しています。サブスクサービスで利益を得るためには、サブスクリプションと相性がいい業種を選ぶことが重要です。
今回はそのサブスクリプションの分類と事例、相性のいい業界について解説します。

サブスクサービスの分類

サブスクサービスは種類も多く、ユーザーの利用できる範囲もサービスによって違っているため、とても複雑で、その全体像がわかりにくくなっています。
例えば、「どのアイテムも選び放題かつ使い放題」といったサービスもあれば、「1つのものが使い放題」というサービスもあります。また、その中間として、「一定期間ごとに好きなアイテムを選んで、使い放題」といったサービスもあります。

そのため、サブスクリプションと相性のいい業界を解説するにあたって、サブスクサービスをある程度分類する必要があります。そこで、サブスクサービスの分類をするための基準として、数々のマーケティング、プライシング戦略本の著者であり、日本の価格の専門家でもある上田隆穂氏の分類を参考にこちらの表を作成しました。

上田氏はそのサービスを導入する際に、「企業側に要求される追加コスト」と、先程の「〜放題」の二つを軸にサブスクサービスを整理しています。

AppleMusicのようなデジタル系のサービスであれば、需要に合わせ、追加でコンテンツを配信するだけで済むので企業側のコストは低くなります。ですが、モノやサービスを利用し放題のサービスであればデジタル系サービスに比べて追加コストは高くなります。また、こうした非デジタル系サービスの中でも、アイテムが新品か中古かで追加コストは変わってきます。

この枠組みをもとに、9つのサービスを解説します。

高追加モデル

①メチャカリ

定額で洋服が借り放題のサブスクサービスです。
月額2,980円(税別)から選択可能で、プランごとに手元に置いておける洋服の数に限りがあります。
しかし、1カ月に借りられる洋服の数に制限にはなく、返却の際にクリーニング・洗濯をする必要もないため、好きなだけ借り換えられます。
返却されたアイテムは企業側でクリーニングされ、webサイトで中古販売されています。
また、60日以上レンタルして置くと、そのアイテムが自分のものになる点も特徴です。
取扱ブランドはアメリカンホリックやグリーンパークスなどの8ブランドで、非常に数が多いです。
全てのアイテムが新品であるため、企業にとっての追加コストが高くなります。
こちらは全てのアイテムを好きなタイミングで選ぶことができるため、選び放題&使い放題としました。

②KINTO

トヨタが指定した、ハリアー、パッソ、ノアといった、20種以上の車の中から新車を1台選び、3年間、5年間、7年間乗ることができるサービスです。頭金なしで、税金や定期メンテナンスといった車の維持にかかる諸費用も料金に含まれています。
また、レクサスブランド車以外であれば、契約期間内でも他車種に乗り換え可能な「のりかえGO」サービスもあります。このサービスでは新車を乗り継ぐため、企業側の追加コストは高いです。また、20種類以上の車種から1つを選び、一定期間乗るサービスであるため、限定選び放題&使い放題としました。

③YClean

月額9,680円から自分専用のワイシャツ20枚をレンタルできるサービスです。
レンタル、クリーニングがセットで、月に一度まとめて返送するだけで済むため、ワイシャツ購入やアイロンがけ、洗濯の手間が省けます。
全てのワイシャツに固有番号が割り振られており、それをもとに顧客専用のワイシャツを管理しています。継続利用者には全て新品のワイシャツを用意しているため、企業側の追加コストは高くなります。
こちらはワイシャツのみ、枚数固定のサービスであるため、使い放題としました。

中追加モデル

④Rcawaii

こちらは定額で女性向けの洋服が借り放題のサービスです。
月額9,980円からプランを選ぶことが可能で、一度に借りられる枚数には限りがありますが、何度でも借り換えることができます。
メチャカリと異なるのは、スタイリストのコーデがそのまま借りられる点やパーソナル診断がおこなえる点です。お気に入りのアイテムを残して新しく借りることで、ユーザーの好みを蓄積し、それに合わせたコーディネートを用意してもらえるのも魅力です。
アイテムが全て新品ではなく、中古品も混ざっているため追加コストは中と判断しました。
こちらも全てのアイテムが選び放題で、好きなタイミングで交換できるため選び放題&使い放題としました。

⑤Viday

定額で美容サロンに通い放題のサービスです。
美容室・ネイル・エステ・リラクゼーション・パーソナルジムの5つのジャンルの店舗に通うことが可能です。月額19,800円(税別)から、プランによって3~5つのジャンルを選べ、合計300以上の店舗の中から、月に何回でも通うことができます。このジャンルの中でも、例えば、エステであればフェイシャル、ボディ、脱毛のように複数の施術から選ぶことができます。企業側の追加コストはほぼ人件費なので、中程度としました。
こちらは選べるジャンル数に制限があるため、限定選び放題&使い放題としました。

⑥leeap

定額でスタイリストがコーデした服が月に2種類借りられるサービスです。
月額8,980円からプランが選べ、トップス3枚、パンツ1枚のプランと、トップス2枚にパンツ1枚、ジャケット1枚のプランがあります。
自身が持っている服との合わせ方や小物の選び方などをスタイリストに相談できるのが特徴です。また、服の好みに合わせてコーデしてもらえるため、自身のイメージにあった服装を借りることができます。返却方法も自宅集荷の他、コンビニや宅配ロッカーが選べ、ユーザーの生活に合わせて返却できます。こちらも全てのアイテムが新品ではないため、追加コストは中です。
また、スタイリストが用意したコーデが利用可能になるため、使い放題としました。

低追加モデル

⑦Hulu

月額1,026円で70,000本以上の映画やアニメのほか、TV番組の見逃し配信が見れるサービスです。
日本テレビと提携しているため、日テレオンデマンド内の作品も視聴できるのが特徴です。
こちらはコンテンツを追加するだけで済むので企業側の追加コストは低いです。
また、全てのコンテンツが見放題になるため、選び放題&使い放題です。

⑧Apple Music

月額980円で7,500万曲位上の音楽を聴き放題のサービスです。クラウド上にプレイリストを保存して音楽を聴くことや、オフラインでも音楽が楽しめるよう、端末に保存することも可能です。
こちらもコンテンツを追加するだけで良いので企業側の追加コストは低いです。
全ての音楽が聴き放題であるため、選び放題&使い放題です。

⑨Nintendo Switch Online

定額でNintendo Switchでオンラインプレイができるサービスです。
他にも、クラウド上でゲームのセーブデータが保管できるほか、加入者限定でプレイできるソフトもあります。また、毎月Nintendoが選んだソフトの中から期間限定でまるごと遊ぶことができます。
こちらはデジタル系であり、追加する際に企業側に要求される業務も少ないため、追加コストは低いです。
Nintendo指定のソフトの中から遊び放題であるため、限定選び放題&使い放題としました。

⑩google workspace

こちらは、定額でカレンダーやgmailの他、スプレッドシートのような、Googleの各種アプリケーションを組織内で円滑に共有できる環境を提供する組織向けサービスです。クラウドも提供され、組織内のデータを簡単かつセキュアに保存、共有することができます。こちらは既存のサービスをより使いやすくするためのものであるため、追加コストは低いです。
こちらは、Googleが用意したプラットフォームが使えるため、使い放題としました。

サブスクリプションと相性のいい業界とは

まず、低追加コストの業界は、サブスクリプションに向いているでしょう。
特にデジタル系はほとんどの場合、追加コストが低いため、サブスクリプションとの相性が良いです。
先ほどの事例で言えば、Apple Musicが代表例です。
元々は、音楽をiTunes Storeで購入する形が一般的でしたが、サブスクサービスを追加したことで利益面で大成功を収めました。

その点で考えると、追加コストが高くなりやすい非デジタル系は相性があまりよくありません。しかしながら、非デジタル系でもサブスクサービスとして、拡大していく方法があります。

それは、事業や製品(商品)を、「サービス」として捉え、提供するです。先ほど紹介した事例の中でも、中コストや高コストに分類されている事例は、このサービス化に成功したことで、サブスクリプションを導入できています。

例えば、洋服であれば、「モノ」として所持するよりも、「おしゃれで、流行を捉えていて、見栄えがよくなるサービス」として考えてみましょう。その視点で見ると、買いに行く手間がかからず、好みの服のコーデを用意してもらえ、流行している間着ていられるサービスとして提供すればユーザーは喜ぶはずです。

このように、自社の販売対象がモノであれば、いかにモノを軸にサービスとして提供できるかを考えることが重要です。
そうすれば、非デジタル系サービスであってもサブスクサービスとして拡大が狙えるでしょう。

プライスハックを運営するプライシングスタジオでは、売り上げシミュレーションなどを活用した戦略的なサブスクリプションプライシングを提案可能です。プライシングについてお悩みの方は、プライスハックまでお問い合わせください。

まとめ

上田隆穂氏の指標を元に10種のサービスを解説しました。
低コストのサービスや、モノをサービス化できる業界がサブスクリプションと相性がいいと言えます。

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低価格戦略とは?意味、成功した企業事例、11つの成功要因、実施する際の注意点

企業のポジショニングを決める上で、低価格と高価格のどちらを選ぶかは最も重要な意思決定になります。低価格と高価格について、どのようにして判断するのが良いのでしょうか。

今回は、低価格戦略で成功した企業事例、成功要因を紹介していきます。

高価格戦略の詳しい記事はこちら。


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低価格戦略とは

低価格戦略とは、競合他社よりも相対的に低価格で製品やサービスを提供し、マーケットシェアを獲得する戦略のことです。コストリーダーシップ戦略ともいわれます。この方法は製品が大量に生産でき、かつコモディティ化が進んだ製品によく使われる戦略です。

一般的に、低価格で提供すると利益率は低くなってしまいます。そのため、短期的には利益を得ることはできませんが、長期的に利益を得ることができます。

低価格戦略で成功した企業

H&M

スウェーデン発のアパレルメーカーであるH&Mは、低価格戦略で成功している例として有名です。

例えばH&Mでは、基本的にTシャツは1000円から2000円程で、かなり低い価格設定となっています。賃金が安い国に生産拠点を置くなどの工夫をし、徹底的にコストを削減することによって低価格を実現しています。

(出典:WWD)

アマゾン

ECサイトで有名なアマゾンも低価格戦略で成功を収めた例として有名です。

出品業者の膨大なデータから、売れ筋商品をあらかじめ判断し、その商品を大量に入荷して直販するというやり方で低価格を実現しています。

現在日本国内ではEC業界トップの売り上げを誇っています。

(出典:amazon)

QBハウス

ヘアカット専門店のQB ハウスも低価格戦略が成功している例として有名です。QB ハウスではカット一回1200円という価格が設定されています。

従来の理髪店とは違い、カットのみ行い、シャンプーや髭剃りを行いませんが、低価格や短時間などの手軽さで、顧客満足度を高く維持しています。

(出典:千代田より)

10つの成功要因

低価格戦略で成功している企業には共通する戦略があります。ハーマン・サイモンは自身の本「Confessions of the Pricing Man: How Price Affects Everything 」の中で、低価格戦略における成功要因を次のように述べています。

最初から低価格で始める

成功している低価格企業はいずれも、最初から低価格と大量販売に専念しています。多くの場合、根本的に新しいビジネス・モデルを作り出しているのです。高価格帯や中間帯の価格ポジションから低価格へ転換して成功した企業はほとんどありません。

効率性を重視する

成功している低価格企業はいずれも、コスト効率やプロセス効率に極めて優れており、低価格にしながら、申し分ない利益率や利益総額を享受できています。

妥当なレベルでかつバラツキのない品質を約束する

低価格で提案しても、粗悪でバラツキのある品質だったならば、おそらく成功しないでしょう。持続可能な成功には、妥当なレベルで一貫性のある品質が求められます。

コア製品に特に集中する

格安会社に対してよく「ノーフリル」という言葉が使わます。付帯サービスがなく、基本的なサービスのみを提供することです。重要な顧客価値を危険にさらすことなく、コストを節減することが重要です。

高成長と高収益を重視する

高成長と高収益を重視することは大切です。これによって企業の規模が拡大することによって生み出される利得を最大限に活用できます。

借金を避ける

銀行借入れや金融市場からの資金調達を検討するのはごく稀で、それよりも自己資金やサプライヤーズ・クレジット(輸出延払金融)に依拠します。

できる限り自社でコントロールする

これは自社ブランドしか扱わないことを意味し、アルディなどは品揃えの90%以上を自社ブランドが占めています。バリューチェーン全体にも強いコントロールを利かせています。

広告宣伝は価格に特化する

低価格戦略ではコストを持続的に削減して行く必要があります。そのため、広告宣伝は価格に特化する必要があるのです。また場合によっては、広告すらしないこともあります。

メッセージを混在させない

「低価格と高収益」で成功しているほぼすべての企業が、一時的なプロモーションを多用する「ハイロー(High&Low)戦略」ではなく、「エブリデー・ロープライス(EDLP)戦略」を堅持しています。

自社の役割を理解する

ほとんどの市場は「低価格と高収益」で戦える企業の数は限定されており、わずか1,2社ということが多いのです。そのため、自社のポジションを理解して置く必要があるのです。

低価格戦略をとる際の注意点

持続的にコスト削減を行わないと、長期的な収益が見込めなくなってしまいます。企業が低価格で一貫して高い利益を達成することは可能ですが、それは競合他社に対して、明確かつ顕著かつ持続可能なコスト優位を持つ場合に限られるのです。

まとめ

今回の記事では低価格戦略について解説しました。低価格戦略は持続的にコスト削減をおこなって行く必要があります。

プライシング・価格戦略にお悩みの事業者様は、一度プライスハックにお問い合わせください。

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高価格戦略とは|成功要因について事例を紹介しながら解説

高価格戦略をご存知でしょうか。高価格戦略とは、商品やサービスの質を限りなく高め、それに伴った高い価格設定を行うことで売上を上げる価格戦略です。

この記事では高価格戦略について、事例を紹介しながら解説します。


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高価格戦略とは

高価格戦略とは、iPhoneのように高いサービス価値の商品やサービスを、高価格で販売し、売上を上げる戦略です。

ラグジュアリー価格戦略と少し似ていますが、この戦略では威光効果はあまり発揮されません。威光効果とは、高価格の商品を所有・サービスを享受すること自体がステータスとなり、買い手に付加的レベルの社会的心理効用を与える効果です。

威光効果、威光価格に関する詳しい記事はこちら。

次は高価格戦略で成功した企業について紹介していきます。

高価格戦略で成功した企業の事例

Apple(アップル)

 iPhoneやAirPodsで有名なアップルは、高価格戦略で成功している例として有名です。例えば2020年に発売された、iPhone12は一番安い機種でも8万円程で、他社のスマートフォンと比較すると、およそ二倍の価格設定になっています。

しかし強いブランド、デザイン性の高さ、利便性などの理由から、高値でもスマホシェアトップを争うほど高い人気を誇っており、高価格戦略として成功していると言えます。

BOSE(ボーズ)

音響機器開発製造をしており、ノイズキャンセリングヘッドホンを世界で初めて開発したことでも有名な、ボーズも高価格戦略で成功している例と言えます。

例えば、ボーズのイヤホンは基本的に3万円ほどで、他にも多様な製品ジャンルを展開しています。どの商品も高い価格設定がなされていますが、音質、完成度、使いやすさなどで高いレベルの商品を提供し続けているため、高い人気を誇っています。

高価格戦略の成功要因

25カ国に39の拠点をもつマーケティングコンサルティング会社、サイモン・クチャー&パートナーズを創設し、Confessions of the Pricing Manの著者でもあるハーマン・サイモンは、高価格戦略において成功する要因を次の7つであると述べています。

提供する価値が優れている

顧客は価値に見合った物が手に入る時にのみ、その商品やサービスに高い価格を支払います。そのため提供する価値が優れていることは必須条件となってくるのです。

商品そのものの価値で勝負する

高価格戦略では、商品そのものの価値で勝負する必要があります。ラグジュアリー価格戦略では主に、高い価格を設定し、商品を所有・サービスを享受すること自体をステータスにするという戦略をとります。

しかし、そのような高価格戦略でそのようなやり方をしてしまうと、顧客は感じている価値に見合っていないと判断してしまうため成功しない恐れがあります。

イノベーションを途切らせない

高価格戦略において継続的に高価格ポジジョンを取る場合、提供する商品やサービスの価値を高いと感じ続けてもらう必要があります。そのためイノベーションを途切らせないことにより、商品やサービスの改善を繰り返していくことが大切なのです。

商品やサービスが一貫して高品質である

商品やサービスの一部が高品質であっても、バラツキがあると、顧客の近く価値を上げることは難しいです。そのため、商品やサービスが一貫して高品質である必要があるのです。

ブランド力が強い

高価格戦略では、商品力の高さが購買につながるため、高い技術を持っていることを認知されることはとても重要です。ブランド力が強いと、一時的な技術上の優位性を長期的なイメージにすることができるのです。

商品の価値やメリットを顧客に理解してもらう

仮に商品やサービスが優れていたとしても、顧客がそれを認知していなかったり、うまく理解できていないと価値を感じてもらうことは難しいです。そのため、商品の価値やメリットを顧客に理解してもらうよう努めることは大切なのです。

特別提供など値引きを避ける

売上をあげたいからといって、頻繁に値引きを行ったり、大々的なプロモーションを行うと、顧客の価格に対する信頼が薄くなってしまいます。そのため特別提供など値引きやそのプロモーションはむやみに行わないことが大切です。

高価格戦略の注意点

価格が高すぎると、販売量が伸びない

仮に高い価値を提供できたとしても、高すぎる価格設定をしてしまうと、販売量が伸びず利益が出ないことがあります。そのため、自社の商品に対して顧客が高いと感じる価格や安いと感じる価格を知っておく必要があるのです。

顧客の支払意欲を調査するために使われる手法としてPSM分析という手法があります。

PSM分析について詳しくはコチラ。

商品の価値が認知されていないと、低価格のものが売れる

高価格戦略を成功させるために、高い価値を提供できる商品を作ったとしても、顧客がその価値を理解していないと低価格のものが売れる傾向にあります。

例えばある企業が、従来の3倍長持ちする洗濯機を開発したとします。そこで価格は従来の物の2倍で販売しました。コストパフォーマンスの面でいうと、従来の物より圧倒的に良いはずですが、顧客は従来のものを選ぶことがあるです。

それは顧客はどのくらいの期間で損益が分岐するかという計算をせず、表面的な価格を見て決めることが多いからなのです。そのため高価格戦略を行う場合、顧客に商品の価値やメリットをより具体的に伝え、理解してもらうよう努める必要があるのです。

まとめ

今回は高価格戦略について解説しました。顧客は価値に見合った物が手に入る時にのみ、その商品やサービスに高い価格を支払います。そのため高価格戦略を行う際は、特に提供する価値が優れていることが重要になります。

プライシング・価格戦略にお悩みの事業者様は、一度プライスハックにお問い合わせください。

 

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ラグジュアリー価格戦略とは|成功要因について事例を紹介しながら解説 

ラグジュアリー価格戦略をご存知でしょうか。ラグジュアリー価格戦略は主にハイブランドに用いられ、高価格戦略の中でも価格に上限がないのが特徴です。

この記事ではラグジュアリー価格戦略について、事例を紹介しながら解説します。


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ラグジュアリー価格戦略とは

ラグジュアリー価格戦略とは、主に高級時計や高級車など、高価格戦略よりもさらに高い価格を設定する戦略です。
高価格戦略と明確な違いはありませんが、大きな特徴として、この戦略には価格の上限がないことが挙げられます。

後述しますが、ラグジュアリー価格戦略では威光価格が用いられます。威光価格とは、所有・サービスを享受すること自体がステータスなるような商品につけられる高い価格のことです。価格は、品質指標になるだけでなく、顧客に付加的レベルの社会的心理効用を与えるのです。

威光価格についての詳しい記事はこちら。

ラグジュアリー価格戦略で成功した企業の事例

PRADA(プラダ)

高級アパレルブランドのプラダは、ラグジュアリー価格戦略で成功している例として有名です。

例えばプラダで売られているシューズは、基本的に一足13万円ほどでかなり高い価格設定となっています。しかし、有名人・有名企業とのコラボした限定品、デザイン性の高さ、流通量の少なさなどの理由から、高値でも売れるためラグジュアリー価格戦略として成功していると言えます。

(出典:PRADA)

ロールスロイス

高級車ブランドのロールスロイスは、ラグジュアリー価格戦略で成功している例として有名です。ロールスロイスでは最低でも、一台3,000万円ほどとかなり高い価格設定となっております。

上質なレザーやウッドの選定、加工や組み付けが手作業で行われており、最高級の品質となっています。そして所有・サービスを享受すること自体がステータスなるブランド力により、高額でも人気を維持し続けているのです。

(出典:ロールスロイス)

ラグジュアリー価格戦略の成功要因

25カ国に39の拠点をもつマーケティングコンサルティング会社、サイモン・クチャー&パートナーズを創設し、Confessions of the Pricing Manの著者でもあるハーマン・サイモンは、ラグジュアリー価格戦略において成功する要因を次の8つであると述べています。

常に高性能な商品を提供する

高価格から顧客は品質が高いことを連想するため、原材料や品質などは常に高いものである必要があります。またこれは全てに当てはまりサービス、コミュニケーション、流通なども含まれます。

威光効果を生かす

ラグジュアリー価格戦略と高価格戦略の大きな違いとして威光効果が挙げられます。
威光効果とは「一つの領域でのイメージが全体のイメージに影響を及ぼす現象」のことを言います。具体的にいうと、高価格というイメージが、その商品や企業の全体の品質やステータスとしての評価に良い影響を与えるということです。

ラグジュアリー品は、商品を所有・サービスを享受すること自体がステータスとなるため、高い価格設定にし続ける必要があります。

価格は品質指標になることを理解する

先述しましたが、価格は品質指標になります。普通は価格が高いほど、需要が減ることが多いですが、時にそれとは逆になることがあります。あまり買ったことがない商品に対しては、顧客は価格が高いほど品質が良いと感じるのです。

数量と市場シェアを厳しく制限し続ける

ラグジュアリー品市場では商品を所有・サービスを享受すること自体がステータスとなるため、市場に商品が溢れかえっていると、それを崩しかねません。
そのため、限定版など数量と市場シェアを制限することはとても大切なのです。

割引や特売、それに類する行動を絶対に避ける

ラグジュアリー価格戦略では基本的に威光価格が設定されているため、価格は品質の指標になるだけでなく、社会的なステータスにもなります。そのため、割引や特売を行なってしまうとステータスや社会的名声のシグナルを崩してしまう恐れがあるのです。

トップ人材を起用する

会社員が最高の水準を満たし、高いレベルで職務を遂行する必要があります。特に販売員の場合、普段から高いレベルの接客を受けている顧客を相手にすることが多いため、要求されるスキルも高くなってくるのです。

バリューチェーンをコントロールする

ラグジュアリー品企業は、高付加価値を維持し続け、ブランドマネジメントを行っていく必要があります。そのため、販売や流通など、バリューチェーンを最大限コントロールするように努めることが大切です。

顧客の支払い意欲を理解して価格設定する

通常は価格が高くなるほど需要が減るのですが、ラグジュアリー品の場合逆になり、価格が高くなるほど需要が上がります。故に自社の需要曲線を知らない企業は、手探りで最適価格を探すことになってしまいます。そのため、価格ごとの顧客の支払い意欲を知っておくことは大切です。

その際の分析手法としてPSM分析があります。PSM分析に関する詳しい記事はこちら。

まとめ

今回はラグジュアリー価格戦略について解説しました。

冒頭でもお話しましたが、ラグジュアリー価格戦略には価格の上限がありません。しかし、むやみに価格を上げてしまうとせっかく手に入れた顧客が離れてしまうことがあります。そのためこの価格戦略を使うには、分析を行って自社の需要曲線を理解しておく必要があります。

プライシング・価格戦略にお悩みの事業者様は、一度プライスハックにお問い合わせください。

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Hi-Lo(ハイロー)価格政策、EDLP(Everyday Low Price)政策とは|小売業で代表される低価格戦略


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あなたは、Hi-Lo価格政策をご存知でしょうか。

スーパーマーケットでは商品の特売や値引きセールがよく行われますが、これはHi-Lo価格政策という低価格戦略のうちの一つなのです。

低価格戦略はスーパーマーケットなどの小売業で多く用いられ、他に代表的なものとしてEDLP政策があります。

この記事では、低価格戦略の代表的な二つであるHi-Lo価格政策、EDLP政策について、実際の事例を交えながら解説します。

Hi-Lo価格政策とは

Hi-Lo価格政策とは、一時的に商品を特売価格で販売することで集客をする低価格戦略です。High-Low Priceの略であり、一定の期間に価格がHigh、Lowするためそのように名付けられました。

Hi-Lo価格政策を行う際、原価割れの価格設定をした商品のことを目玉商品(ロス・リーダー)と言います。

小売店は目玉商品を作り、プロモーションを行うことで、来店頻度の少ない顧客や見込み顧客の増加を図る他、衝動買いの誘発により、客単価を上げることを目的とします。日本の多くのスーパーはHi-Lo価格政策を行なっています。

Hi-Lo価格政策のメリット

Hi-Lo価格政策のメリットは主に次の3つです。

・来店頻度の少ない顧客や見込み顧客など、顧客の幅を広げることができる

・値引き対象以外の商品が売れることで、収益が期待できる

・低価格のプロモーションにより、即効性のある集客ができる

このようにHi-Lo価格政策では、来店頻度の少ない顧客や見込み顧客の増加を図る他、特売商品を買いに来た際に衝動買いを誘発することができます。

Hi-Lo価格政策のデメリット

Hi-Lo価格政策のメリットは主に次の4つです。

・顧客が特売価格に慣れると、通常価格で売れにくくなる

・価格表示カードの張り替えなど、店のオペレーションコストが大きい

・売れ残り在庫など、在庫管理が難しい

・頻繁に価格が上下するため、価格に対する信頼感が失われる

このようにHi-Lo価格政策では、短期的には効果を発揮するものの、長期的な利用はむしろ逆効果になってしまう恐れがあるのです。

EDLP政策とは

EDLP政策とは、Everyday Low Priceの略で、「毎日、低価格で商品を販売する」価格戦略です。この価格戦略を行なっている際は、Hi-Lo価格政策のように一時的な値引きはしません。

先述しましたが、Hi-Lo価格政策では顧客が慣れてしまうと、値引き期間しか店に来てもらえなくなったり、値引きされた商品しか買わなくなることがあります。

その点、EDLP政策では常時安い価格で商品を提供するため、それらを防ぐことができます。

EDLP政策を行なっている事例

EDLP政策を行い業績を伸ばしている例として、食品スーパー「OK」が挙げられます。OKとは「高品質・Everyday Low Price」をコンセプトにし、関東を中心に展開されているディカウントスーパーです。

(出典:OK)

OKでは「万一、他店より高い商品がございましたら、お知らせください。値下げします。」という表示があるように、地域一番の安値を目指しています。EDLP政策を継続して、業績を伸ばすため次のような工夫がなされています。

割り切り商法

売場では、品揃えが特定のメーカーに偏った商品が存在します。それは安売りできないブランドの取引は縮小したり、条件が合わない場合品揃えから外しているからなのです。

仮にトップブランドであったとしてもし入れ条件が合わないと、品揃え時から外すという割り切りにより、低価格を実現しているのです。

オネスト(正直)カード

低価格の理由や、品質に関わる理由を正直に開示することで、消費者に納得してもらう手法です。具体的には次のようなものです。

「長雨の影響で、レタスの品質が普段に比べ悪く、値段も高騰しています。暫くの間、他の商品で代替されることをお薦めします。」(出典:OK)

このように顧客に対して、店にとって都合の悪い商品情報でも、正直に開示することによって店の価値を上げているのです。同時に消費者の期待値をさげるという効果も果たし、ワケあり商品を安く仕入れることにも繋がっています。

EDLP政策のメリット

EDLP政策のメリットは、主に次の4つです。

・常に一定の価格なため、店舗間の買い周りが減少する

・特売日を設定する必要がないため、チラシの配布回数が減る

・価格表示カードの張り替えなど、店舗のオペレーションコストを削減できる

・毎日安定した需要が見込めるため、在庫管理が容易である

このように、EDLP政策では毎日低価格であるという安心感から、商品価値の低下を防止できるだけでなく、一つの店舗だけで買い物を完結させることが可能になるのです。

EDLP政策のデメリット

EDLP政策のデメリットは、主に次の4つです。

・特売日を設けないため、一時的に売上を増加させることが難しい

・常に商品を低価格で維持する必要があるため、ローコスト経営ができないと、政策の継続が難しい

・チラシを配らないため、来店のきっかけを作るのが難しい

・メーカー直仕入などの原価の低減が必要である

このようにEDLP政策では、様々なメリットがありますが、ローコスト経営や商品の原価の低減ができないと、思うように利益が出ない可能性があるのです。

まとめ

今回の記事ではHi-Lo価格政策とEDLP政策について解説しました。日本では、Hi-Lo価格政策からEDLP政策に変更する企業が徐々に増えて来ていますが、まだ「完全なEDLP政策」をとっている企業は数少ないです。

それぞれのメリットとデメリットを把握し、自社に合った価格戦略を立てることはとても大切です。

プライシング・価格戦略にお悩みの事業者様は、一度プライスハックにお問い合わせください。