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ダイナミックプライシング導入

ダイナミックプライシングの導入マニュアル【2020年最新版】

「ダイナミックプライシングが何なのかはわかったけど、導入するのは縁遠く感じる・・・」「導入方法が知りたい」とお考えの方に向けてこの記事を作成いたしました。この記事を読んで、自社に最適なダイナミックプライシングの導入につながれば幸いです。
ダイナミックプライシングとは何かを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。


プライシングスプリント

ダイナミックプライシングとは

ダイナミックプライシングとは、「高頻度で商品価格を変更させる仕組み」です。主に需給の変動に合わせて価格変更を行う形で活用されており、企業の収益最大化や混雑緩和など、多くの価値を発揮しています。

このように、ダイナミックプライシングは、企業に大きな利益をもたらす仕組みです。

しかし、それはどんな企業に導入しても大きな効果をあげられるわけではありません。また、導入方法も様々あり、それぞれの導入方法に適した企業・適さない企業があります。それらを理解すれば、適切な企業が適切な方法でダイナミックプライシングを導入することができるはずです。

ダイナミックプライシングを導入すべき企業とは?

ダイナミックプライシングを導入すべき企業の特徴には二つのパターンがあります。

一つ目は「導入による収益最大化・コスト削減効果が見込まれる」こと

二つ目は「導入に伴う顧客離れを起こしにくい」こと

です。ここでは、この二つのパターンにあてはまる企業の特徴について簡単に解説します。

パターン1 導入による収益最大化・工数削減効果が見込まれる

ダイナミックプライシング導入の主要なメリットである

  • ①収益最大化
  • ②工数削減

を達成できる企業が、このパターンに当てはまります。

収益最大化を達成できる企業とはなんでしょうか?

それは、「需要が変動する商品を取り扱っている企業」です。そもそもダイナミックプライシングが収益の最大化につながるのは、時間と共に移り変わる商品の需要に合わせて、最も収益を多くあげられる価格に設定し続けられるからです。そのため、需要が変動する商品に対して、効果を上げると言えるでしょう。

では、工数削減効果を見込める企業とはなんでしょうか?

それは既に商品価格の変更を大量かつ頻繁に行っている企業です。競争が厳しく頻繁に価格を調整する必要のある業界や、調整しようとすると大きなコストがかかるような業界では、手動での価格変更そのものに高いコストがかかっています。ダイナミックプライシングではそれを自動化して工数を削減できます。

また、手動での大量の価格変更は、変更間違いなど管理ミスのリスクをはらんでいますが、自動化することでその課題の解決にもつながります。これらの理由から「既に商品価格の変更を大量かつ頻繁に行っている」という特徴を持つ企業も導入に適していると言えます。

  1. 需要が変動する商品を取り扱っている
  2. 既に商品価格の変更を大量かつ頻繁に行っている

これらのような、ダイナミックプライシングのメリットを享受しやすい特徴を持つ企業は導入に適しています。

 

ダイナミックプライシングのメリットに関してはをご覧ください。

パターン2 導入に伴う顧客離れを起こしにくい

このパターンはデメリットを受けにくい企業の特徴のパターンとなります。ダイナミックプライシングのデメリットとして、顧客離れを起こすリスクがあることが挙げられます。つまり、顧客離れを起こしにくい特徴を持つ企業は、デメリットをあまり受けずにメリットを享受しやすいため、導入に適しています。

そんな顧客離れを起こしにくい企業の特徴としては

  1. 「顧客との強い関係性が築けている」
  2. 「ダイナミックプライシングによる値上げによって顧客にメリットを出せる商品を扱っている」
  3. 「価値の変動が実感されやすいサービスを扱っている

ことが挙げられます。

1.スポーツチームが顧客からの応援で支えられているように、顧客との強い関係を築けている企業では、ダイナミックプライシングの導入が顧客離れを起こしにくいです。

2.また、一部のCtoCサービスなど、商品やサービスによってはダイナミックプライシングの値上げが顧客のメリットになる場合は不信につながりずらく、顧客離れが起きにくいです。例えば、配車サービスUberは、車に乗りたい人が増えた地域の料金をダイナミックプライシングで値上げしますが、それにより顧客のもとにより多くのドライバーが向かうようになるため、結果的に顧客満足度の向上につながります。このような場合は、ダイナミックプライシングがただの儲けのための仕組み、と捉えられにくく、顧客離れを起こしにくいです。

3.この他の顧客離れのケースとして、導入したという事実そのものではなく、ダイナミックプライシングで値上げした商品の価格から、価値に値段が見合わないとみなされてしまい、顧客が離れてしまう場合があるのですが、価値が実際に変動しているから価格も変わって当然、と思われればそれは起きません。そのため、価値の変動を顧客が実感しやすいサービスや商品を扱っていることは、顧客離れの起きにくさにつながります。

 

これらのような顧客離れを起こしにくい特徴を持つ企業は導入に適しています

 

ダイナミックプライシングのデメリットに関してはこちらをご覧ください

 

以上のように、「導入によって自社に大きなメリットをもたらせるか」「顧客離れを防止できるか」が、ダイナミックプライシングの導入を検討するうえで重要なポイントとなります。

ダイナミックプライシングと相性が良い企業について、さらに詳しくこの記事で解説しています。5つの具体的な特徴について解説しておりますので、ぜひご覧ください。

ダイナミックプライシング導入方法比較検討

ダイナミックプライシングを実際に導入しようとすると、検討できる選択肢は3つあります。

一つ目は自社開発、二つ目はツール利用、三つ目は受託開発です。それぞれに良い点と悪い点があり、向いている企業と向いていない企業があります。ここではそれらを簡単にまとめたいと思います。

自社開発

自社にダイナミックプライシングを開発、及び業務で機能させるための人材が揃っている、または揃えられる場合に実行できる選択肢です。プロ野球チームの楽天イーグルスや、海外の民泊サービスのAirbnbなどがこの例です。自社専用のアルゴリズムを自社で開発するため、自社に最適なダイナミックプライシングを導入できると言えます。また、社内で完結できるため、開発自体のスピード感も、取り組みの先進性もはやいものにできます。しかし、開発に必要な人材を揃えることの難しさから、この選択肢を選べる企業は少ないでしょう。

良い点:スピード感を持って自社の事業に適性のあるダイナミックプライシングを開発できる

悪い点:採用費や長期的な人件費が非常に高額になるため、実際に自社開発を選ぶことが難しい

 

ツール利用

SaaS(Software as a Service)を利用することで、サービス提供企業から安くダイナミックプライシングを導入できる選択肢です。月額課金のモデルが多いため、特に初期費用は他の選択肢と比べると非常に安くなります。自社に最適なツールがあった場合はオススメな選択肢ですが、そもそもまだツールが存在する業界自体が少ないのが現状です。また、アルゴリズムの質自体は高いものが多いのですが、多くの同業者が導入している場合、価格の違いによる収益が生まれ辛くなるという欠点があります。

良い点:コスト、特に初期費用が低い

悪い点:多くの同業者が利用し、差別化が難しくなる場合がある

 

受託開発

ダイナミックプライシングのプロである開発企業と共同でアルゴリズム開発を進められる選択肢です。開発企業によっては、実証実験の段階から始められる場合や、導入後にそれを業務に最適化するコンサルティングを受けられる場合があります。費用がツール利用と比べると高くなるものの、自社開発ができる社内環境ではない企業で、適したツールのない場合には一般的に選びやすい選択肢になります。ダイナミックプライシングの開発企業は、それぞれ異なった特徴を持ちますが、それを見極めてどこに依頼するかを検討することが重要になります。特に、実証実験やコンサルティングまで行う企業は少ないのが現状です。

良い点:ダイナミックプライシングのプロと開発及び導入を進められる

悪い点:依頼する企業の見極めが難しい

以上をふまえ、ダイナミックプライシングの導入方法のフローチャートを作成いたしました。導入方法の検討にぜひ活用してください。

ダイナミックプライシング 導入方法フローチャート

こちらの記事では、さらに詳しい各選択肢の特徴の解説や、いくつかの比較軸を元にした比較検討を行っております。導入方法について深く知りたい方はこちらをご覧ください。

ダイナミックプライシングの提供企業

ここまで、ダイナミックプライシングを導入すべき企業、そして導入方法について紹介してきました。自社開発は、実行できる企業が少ないと思われます。そのため、ここではツール提供と受託開発を行っている企業を紹介したいと思います。ツール提供企業の例として株式会社メトロエンジンと、受託開発企業の例としてプライシングスタジオ株式会社を紹介します。

ツール提供企業 株式会社メトロエンジン


株式会社メトロエンジンは二つのツールを提供しています。

一つが企業名と同じ、「メトロエンジン」というホテル向けのツールです。

メトロエンジンでは、競合価格、在庫、各種イベント、曜日要因などの機械学習データをもとに需要予測を行い、過去の販売実績と照らし合わせて最適な価格を算出します。また、競合分析や宿泊施設に関する全般的なデータ自体の販売もしており、ホテル側のより広いニーズに対応しているのが特徴です。施設数・部屋数ごとに課金される料金モデルのため、導入を検討される際は一度概算で料金を確認することをおすすめします。

もう一つは「me car rentals」というレンタカー業界向けのツールです。

レンタカー予約サイトから競合他社の販売状況データを取得し、過去の販売実績やメトロエンジンが持つビックデータをもとに需要を予測して、最適価格を算出します。これにより収益を最大化するツールとなります。

 

現在二つの業界でツール提供をしているメトロエンジンですが、これらが自社事業に適性があると感じたようでしたら、お問い合わせをお勧めします。

株式会社メトロエンジン公式サイト

受託開発企業 プライシングスタジオ株式会社

プライシングスタジオ ロゴ

 

ダイナミックプライシングの開発企業であるプライシングスタジオ株式会社は、受託開発の選択肢を選ぶ場合に有力な企業です。

受託開発企業に依頼して開発する際の主要なメリットとして、ダイナミックプライシング開発のプロに、自社に最適化されたアルゴリズム作成を依頼できることが挙げられます。

プライシングスタジオでは、もちろん自社に最適化されたアルゴリズム作成が行われますが、それに加えて、実証実験導入コンサルティングを行ってもらえるという特徴がありあます。小規模な実証実験からスタートできるため、まだ導入実績がない業界での開発や自社に適したアルゴリズム作成の可否を安く試すことができます。また、導入がそもそも必要か、導入するならばどのように現場の業務に落とし込むのか、といった部分のコンサルティングも提供されるのです。

ダイナミックプライシングを実際に機能させる、という段階までサポートする会社であるため、自社に適切なシステムを作り、それを効果的に機能させたいようでしたら、プライシングスタジオへのご相談をお勧めします。

プライシングスタジオ株式会社公式サイト

ダイナミックプライシングの提供を行っている企業は他にもあります。各社・各ツールの特徴を比較しながら詳しく知りたい方は、こちらからご覧ください!

まとめ

ダイナミックプライシングは、企業の収益を最大化するなど、魅力的なメリットを持ちます。

そしてそのメリットを多く享受できる企業、デメリットを受けにくくメリットだけを享受できる企業は存在します。そのような企業様は導入を検討してみてはいかがでしょうか。

また、その際には、今回三点挙げた導入方法をしっかりと検討することが大切です。この記事が検討のお役に立ったのなら幸いです。また、今回取り扱った内容は、詳細に解説した個別の記事を用意しておりますので、そちらもぜひ参照してみてください!

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ダイナミックプライシング導入

ダイナミックプライシングのおすすめサービス一覧|専門家がガチ比較・評価

近年随所で導入が進んでいるダイナミックプライシングですが、ほとんどの場合受託開発企業に依頼するか、既存のツールを利用して導入しています。

この記事では、「ダイナミックプライシングのアルゴリズムを自前で作るのは難しいのはわかったけど、どこに頼めばいいの?」「どんな業界でどんなツールが開発されているの?」といった疑問にお答えします。

まずダイナミックプライシングとは何かを知りたい方はこちらからご覧ください!


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1.EC小売でのダイナミックプライシング

(1)PRICE SEARCH for リテール(バリュース株式会社)

ダイナミックプライシング企業 PRICESEARCH

「PRICE SEARCH for 小売EC」は、競合価格をもとにダイナミックプライシングを行なうEC向けツールです。競合他社の価格と比較して価格を決めるのは、ダイナミックプライシングツールとして一般的ですが、このツールは競合他社商品の「レビュー」「送料の有無」「配送速度」まで把握して価格を決定します。

また時間帯によって価格変更パターンを調整できたり、複数ECサイトから競合調査を行えるなど、単純な価格比較だけではなく、利用者のニーズに合わせて価格決定ルールを詳細設定できる点が強みです。

PRICE SEARCH for リテール サービスサイト

(2) throough(株式会社ダイナミックプライシングテクノロジー)

ダイナミックプライシング企業 throough

このサービスは、国内EC向けツールとしては数少ない、需要予測に基づいたダイナミックプライシングを行う企業です。競合価格をもとにしたプライシングは、競合よりも売れやすい値段に価格決定されるため、最適価格で販売できる(その時々で販売できる最高値で売れる)とは限りません。しかしthrooughは競合他社をチェックせず、その時点での自社の在庫と市場の需要量をベースに価格を決定します。特に在庫に関しては、「在庫が少なくなったら値上げする」「期日を決めて在庫を処分する」「売れていない商品を検知して値下げする」と言った幅広い機能が用意されています。

throough サービスサイト

(3)PriceChanger(株式会社リ・アライズ)

ダイナミックプライシング企業 PriceChanger

PriceChangerは競合価格をもとにしたダイナミックプライシングを提供しています。最短1分間隔で最適な価格を設定することができるリアルタイム性や、最大手の競合のみではなく2番手以降の競合価格を参考にできる柔軟性が強みです。

PriceChanger サービスサイト

 

Dr.プライスのおすすめ
・競合価格を元にした値付けにこだわるなら PRICE SEARCH for リテール
・在庫ベースで値付けしたいなら throough
・高頻度かつ柔軟な価格変更なら PriceChanger

 

2.ホテルでのダイナミックプライシング

(1)metro engines (株式会社メトロエンジン)

ダイナミックプライシング企業 metroengines

metro enginesは人工知能を用いたレベニューマネジメントを提供しています。競合価格・在庫・各種イベント・曜日要因などの機械学習データをもとに需要予測を行い、過去の販売実績と照らし合わせて最適な価格を算出するメトロエンジンのシステムは、都市部のホテルを中心に採用実績が豊富です。

またダイナミックプライシングのみならず、競合分析や宿泊施設に関する全般的なデータ自体を商品として販売しており、ホテル側のより広いニーズに対応しています。

施設数・部屋数ごとに課金される料金モデルのため、導入を検討される際は一度概算で料金を確認することをおすすめします。

metro engines サービスサイト

(2)Prigram(フォルシア株式会社)

ダイナミックプライシング企業 Prigram

京都大学と連携して技術開発を行っているフォルシア株式会社は、ホテル向けツール「Prigram」を提供しています。このツールは、過去の販売実績から宿泊日の需要レベルを3分割し、価格調整に労力をかけるべき日を絞り込む点が特徴的です。例えば、「最も需要の多い日は人力で価格調整」「最も需要の少ない日は価格調整しない」「需要が平均的なレベルの宿泊日の価格をシステムで自動算出」というように、価格調整によって生み出す利益が大きいと思われる日を抽出し、人の手を割くべきポイントを明確化することで、価格調整をより効率的に行なうことができるのです。

価格計算では、過去の予約実績や日々変化する予約状況/キャンセルのデータから、予約が入るペースを予測して価格を設定します。

客室数の多いリゾートホテルやシティホテルで、多く導入されているようです。

Prigram サービスサイト

(3)MagicPrice(株式会社空)

ダイナミックプライシング企業 Magic Price

過去の予約実績 及び 自社/競合予約状況から需要予測を行ない、価格を設定します。サイトコントローラー(ホテル予約サイトへの価格反映などを管理するツール)との連携で、リアルタイムに価格を反映できます。チャットサポートやユーザーコミュニティなど、導入後のサポートが豊富な点も魅力です。

導入事例は豊富なため、実際に導入したホテルの事例をチェックすることをおすすめします。

MagicPrice サービスサイト

(4)プライシングスタジオ株式会社

プライシングスタジオ ロゴ

プライシングスタジオ株式会社は、受託開発を行っています。

開発を行なうにあたり、まず小規模な実証実験からスタートする点が特徴的で、初期費用を抑えてダイナミックプライシングを試験導入することができます。まずは自社ホテルのうち1施設で実証実験を行ない、その結果を受けてより良いアルゴリズムを開発・自社の他施設に展開、といった導入ステップを踏むことも可能です。

また、導入がそもそも必要か、導入するならばどのように現場の業務に落とし込むのか、といった部分のコンサルティングも提供しています。

プライシングスタジオ株式会社 コーポレートサイト

 

Dr.プライスのおすすめ
・効率的にDPを適用するなら Prigram
・導入実績なら metro enginesMagicPrice
・自社に最適なDPを作るなら プライシングスタジオ

3.レンタカーでのダイナミックプライシング

(1)ME Car Rentals(メトロエンジン株式会社)

ダイナミックプライシング企業  ME Car Rentals

ホテル業界でツールを展開していたメトロエンジンですが、レンタカー業界でも専用のツールを開発しています。レンタカー予約サイトから競合他社の販売状況データを取得し、過去の販売実績やメトロエンジンが持つビックデータをもとに需要を予測して、最適価格を算出する仕組みです。

ME Car Rentals サービスサイト

(2)プライシングスタジオ株式会社

プライシングスタジオ ロゴ

レンタカー業界でも、プライシングスタジオ株式会社での受託開発が可能です。ホテル業界のパートでも紹介したとおり、小規模な実証実験から開始してよりよいアルゴリズムを開発したり、導入後の業務コンサルティングを依頼することが出来ます。

レンタカー業界はまだまだダイナミックプライシングツールの少ない業界ですので、競合他社も同じツールを利用しているケースがありえます。この場合、価格決定のアルゴリズムが競合と同じで汎用的になってしまい、価格による差別化が難しくなることが予想されます。自社にオリジナルなアルゴリズムを、受託開発で作り上げるのも手だと言えるでしょう。

プライシングスタジオ株式会社 コーポレートサイト

 

Dr.プライスのおすすめ
・既存のツールを利用するなら ME Car Rentals
・自社に最適なものを作るなら プライシングスタジオ

4.スポーツでのダイナミックプライシング

(1)ダイナミックプラス株式会社

ダイナミックプライシング企業 Dynamic Plus

スポーツ業界のダイナミックプライシング開発企業として有名なのは、ダイナミックプラス株式会社です。横浜FマリノスなどのJリーグクラブや福岡ソフトバンクホークスなどのプロ野球チームでも採用されており、業界内の信頼が厚い企業です。過去のチケット販売実績や当日の曜日/天気、対戦相手やチーム順位から、推奨価格を算出する仕組みをとっています。

料金体系が特徴的で、ダイナミックプライシングを導入したチケットの販売額に手数料が発生する形を取っています。チケットが売れれば売れるほどダイナミックプラスの収入も増える出来高モデルであるため、成功にコミットしてくれる会社といえます。

技術面では、アメリカのアルゴリズム開発企業であるneustarのソースコードの「永久使用権」「改変権」を購入し、日本仕様にカスタマイズしているため、技術的な信頼度も高いです。

ダイナミックプラス株式会社 コーポレートサイト

参考

日経クロステック

(2)アビームコンサルティング

ダイナミックプライシング企業 ABeam Consulting

コンサルティング会社であるアビームコンサルティングも、スポーツ領域におけるダイナミックプライシングの経験があるようです。

コンサルティング会社であるため、導入にあたっての現行業務の分析や価格決定で検討すべき要素の洗い出しなど、システム開発以外の部分でのサポートも徹底しています。

アビームコンサルティング コーポレートサイト

 

Dr.プライスのおすすめ
・業界内の信頼で選ぶなら ダイナミックプラス
・コンサルタントとしての戦略サポートまで受けるなら アビームコンサルティング

 

5.まとめ

このように、同じ業界でもダイナミックプライシングには様々な手法があり、それに応じてツールも多種多様です。今回の記事では、日本のダイナミックプライシングツールを多く取り上げました。ツールの中に、自社に最適なものがあると良いですが、ない場合は受託開発が導入手段として有力となるでしょう。

ダイナミックプライシングの導入方法についてはこちらをご覧ください!

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ダイナミックプライシング導入

ダイナミックプライシングはどうすれば導入できる?各アプローチを徹底比較

この記事では、ダイナミックプライシングの導入方法3つについて詳細に解説しています。記事の終盤では、表での比較やフローチャートを通して、最適な導入方法がわかるようになっております。

ダイナミックプライシングとはなにかわからない方はこちらからご覧ください。



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ダイナミックプライシングの導入方法とは

企業がダイナミックプライシングを実際に導入するにはどうすれば良いのでしょうか?実際に導入する場合には、選択肢は三つあります。

一つ目は、自社でダイナミックプライシングのアルゴリズムを開発すること

二つ目は既存のツールを利用すること

そして三つ目が、受託会社に自社用のアルゴリズムやツールを開発してもらうことです。

こちらのフローチャートは、簡単に最適な導入方法を考えられるものです。一度簡単に考えてから、ぜひそれぞれの選択肢の解説と、比較をご覧になってください。ダイナミックプライシング 導入方法フローチャート

それぞれに良い点と悪い点があり、向いている企業と向いていない企業があります。この三つの選択肢がどんな企業に最適なのかをを解説していきたいと思います。

ダイナミックプライシング導入方法解説

①自社開発

自社でアルゴリズムを開発できる企業であれば、自社に最適なダイナミックプライシングを導入することができます。ただし、後述する通り、この開発方法を採用できる企業は非常に限られるため、注意が必要です。

この方法のメリットは二つ挙げられます。
一つ目は、自社の業界内で、いち早くダイナミックプライシングを導入できる可能性があることです。
プロ野球チームの楽天イーグルスは、ダイナミックプライシングを自社で開発し、野球業界でいち早く導入することができました。まだ自社業界向けの受託開発企業が存在せず、かつ自社業界向けのツールもない中でダイナミックプライシングを導入するには、自社開発を行うしかありません。また、他企業に開発を依頼する場合よりコミュニケーションコストも低く、自社の業界知識を活用できるため、スピード感をもって開発できるでしょう。

こちらはスポーツ業界のダイナミックプライシングを解説した記事となります。

二つ目のメリットは、自社で開発したダイナミックプライシングのアルゴリズムをサービス化し、他社に商品として提供できるようになる可能性があることです。
例えば、ECサイト「コスメパンプキン」を運営している株式会社日光企画の事例が挙げられます。日光企画は、自社のサイトの収益向上を目指してダイナミックプライシングを自社で開発しました。ECサイト向けのツールは国内にも存在していたものの、価格の決定要因が異なる独自のアルゴリズムを組み立て、導入したのです。その結果、既存のECサイト向けツールと差別化できるサービスが生まれ、自社だけではなく他社にもサービス提供するようになりました。
このように、自社でオリジナルなダイナミックプライシングを開発し、それをサービス化することができれば、信頼性が高いうえに、独占的な技術を持ったサービスを提供できるというメリットがあります。

以上が自社開発のメリットとなります。

しかし、相応のメリットがあるものの、自社開発は導入できる企業が少ないという弱みを持ちます。

  • ・内部にAIを扱える人材がいない場合、高い採用コストや雇用コストを負担することとなり、それを許容できる企業でなければならない。
  • ・内部にAIを扱える人材がいるとしても、ダイナミックプライシングのアルゴリズムの開発に当てられるだけの人数が社内で余っている必要がある。
  • ・効果的なダイナミックプライシングを開発するには、プライシングの専門知識を有する人材が必要となる。

これらの条件を満たす企業は実際のところ少なく、多くの企業に対しては適切だと言えない選択肢となります。

まとめ
自社開発は、導入事例のない業界で早い段階から開発ができるうえ、ダイナミックプライシングツールを展開をするビジネスにつながる可能性があるものの、開発できる環境やプライシング に対する理解が社内にないと難しい選択肢である。

②ツール利用

ダイナミックプライシングを導入を考えている場合、ツールを利用するのは一度検討すべき選択肢です。
ダイナミックプライシングのSaaS(Software as a Service)はまだ数は少ないものの、EC小売業界や宿泊業界ではSaaSとしてツール展開されています。

ツール利用の最大のメリットは、やはりコストの小ささでしょう。新しく仕組みを作る自社開発や受託開発と違い、既にあるサービスを利用するだけなので、当然費用は安く済みます。また、月額課金制のものが多く、初期費用が小さいため、多くの企業で取り入れやすい選択肢となります。また、ツールそのものだけではなく、カスタマーサポートを受けられるため、基本的な受託開発会社と遜色のないサービスを受けられる可能性があります。さらに、導入までの速さもツール利用の良い点です。既存のツールを利用するため開発期間が必要なく、サービスに登録してからスピーディーにダイナミックプライシングの実用化が可能です。

デメリットとしては、そもそも現在、ダイナミックプライシングツールがサービス化されていない業界が多々あることが挙げられます。現状、国内でダイナミックプライシングがツール化されている業界は、EC小売と宿泊業界、レンタカー業界のみと少なく、ツールでの導入は簡単ではありません。

また、オリジナリティのなさも欠点になりえます。特定の業界でツールが普及している場合、既に競合他社が利用している可能性が高く、自社がその業界で導入しても大きな差別化要因にならない可能性があります。さらに、一つのツールを多くの同業者が導入する場合、結果同じアルゴリズムで価格が導き出され、価格の違いによる収益が生まれなくなるケースも考えられるのです。

まとめ
ツール利用は、差別化や話題性にはつながらないものの、適したツールが存在する場合は、安く素早くダイナミックプライシングを導入することができる選択肢です。

 

ダイナミックプライシングツールの提供は、複数の企業が行っています。同一業界で複数の企業がサービス展開している場合もあるため、ツール利用での導入を検討する場合、比較する必要性があるかと思います。こちらの記事では、業界ごとにツールを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

③受託開発

受託開発は、既存の適したツールがないものの、自社に最適な形でダイナミックプライシングを導入したい企業に一般的におすすめな選択肢です。
受託開発の大きなメリットは、ダイナミックプライシングのプロである開発企業と共同でアルゴリズム開発を進められることです。ダイナミックプライシングは専門性の高い領域で、AI人材に加えてダイナミックプライシングの見識者も必要となります。それらの人材が集まる受託開発企業に依頼することは、確実な選択肢だと言えます。

開発企業によっては、プライシングに関する自社の課題の抽出や導入目標設定から協力してくれたり、実証実験として試験導入するアプローチを取ってもらえたりするため、安心して自社用のダイナミックプライシングを完成させられます。また、これも開発企業によりますが、完成したダイナミックプライシングの仕組みを実際の業務で活用し、成果をあげるまでの運用をコンサルティングしてくれる場合もあります。総合的に考えると、開発企業による部分はあれど、受託開発ダイナミックプライシングを導入して最も効果をあげやすい手法なのです。

また長期的に見ると、コストが比較的小さく済むこともメリットとして挙げられます。
受託開発の初期投資額は大きなものですが、開発期間のみ発生する費用です。一方、自社開発のために人材を確保する採用コスト 及び その後長期的に発生する人件費は、開発した後も継続発生するため、企業にとって固定的なコストとなってしまいます。結果、長期的に見れば受託開発のほうがコストは低いと言えるのです。

デメリットとしては、コミュニケーションコストの高さが挙げられます。受託元と受託先で詳しく認識をすり合わせながら開発を進める必要があるため、社内で開発する場合と比べると、コミュニケーションコストが大きくなってしまいます。
また、依頼する企業の見極めが必要になることもデメリットの一つです。
ダイナミックプライシングの開発企業は幅広く、開発のみに特化している企業もあれば、導入後の業務運用のコンサルティングまで対応できる企業もあります。そのため受託開発を依頼する場合は、開発から導入後の運用までのどの部分を開発企業に依頼するのかを自社できちんと検討し、必要な能力を持つ企業に依頼することが必要不可欠です。

このようなメリットとデメリットのある受託開発ですが、自社開発ができない企業で、適したツールのない企業がダイナミックプライシングの導入を考える場合、適切な選択肢です。

まとめ
受託開発は、既存の適したツールがないものの、自社に最適な形でダイナミックプライシングを導入したい企業に一般的におすすめな選択肢だと言えます。

ダイナミックプライシング導入方法比較

以上、3つの導入方法を紹介してきましたが、ここでそれぞれの選択肢を比較してみようと思います。

ダイナミックプライシング 導入方法マトリクス

観点①自社に最適なアルゴリズムを利用できるか?

ダイナミックプライシングが効果的に機能するには、当然ながら良質なアルゴリズムでの価格変更と、それが導入企業の商品や目的とマッチする必要があります。ここではそのように最適なアルゴリズムを利用できるかどうかで比較していきます。

自社開発ならば、優秀なAI人材・プライシング見識者が社内にいるという条件付きですが、確実に自社の状況に合わせたツールを作成できます。また、どの企業も開発していないモデルでも、開発に挑戦することができます。そのため、開発さえできれば、素早く、かつ確実に自社に最適なダイナミックプライシングが可能になるでしょう。

ツール利用は、既にある数少ないサービスを使わなければならないため、すでにツールがある業界でなくては、そもそも利用できないうえ、すでにある業界でも、自社に最適なツールになるとは限りません。

受託開発は、ダイナミックプライシングを専門に扱っている企業に依頼して、自社に適したアルゴリズムを構築できます。

実証実験から行う開発企業の場合、前例のない領域でも、ダイナミックプライシングが高い効果を発揮するかを検証するステップが踏めるため、最適なアルゴリズム設計をすることができます。実証実験を行なわない場合は、開発企業の経験・知見を活用して効果が見込まれるアルゴリズムを設計するにとどまるため、一部不安要素は残りますが、それでも専門家に任せられる、という点ではメリットがあるでしょう。

一方で、開発企業は得意とするアルゴリズムを持っている場合が多く、依頼された内容が開発企業にとって不得意な分野であれば、開発が行えない場合も考えられます。

観点②費用は安く済むか

ダイナミックプライシングは、しっかりと機能すれば大きな効果を発揮しますが、導入コストは低くありません。ここでは導入及び運用にかかる費用を比較いたします。

自社開発の場合、コスト算出は複雑になります。まず、ダイナミックプライシング開発には様々な人材が関わります。例えばデータサイエンティスト(人件費:約800万円/年)、PM(同:約800万円/年)、事業側の担当者(同:約750万円/年)などの人材が必要です。こうした人材の必要な人数や、その他に必要な人材は、開発の規模によって異なります。基本的にダイナミックプライシングの開発のプロジェクトは3ヶ月ほどで実行されるので、開発期間の人件費はそこまで大きな額にはならないこともあるのですが、問題は開発前後でかかるコストです。

そもそも人材としてAI人材が余っている企業は別ですが、そうでない企業はダイナミックプライシング開発に必要な人材を事前に採用する必要があり、こうした人材が希少であることから、その採用コストは多額になることが予想されます。また、開発完了後も、その人材を雇用し続けないとならないため、人件費も開発期間の分だけでは済みません。さらに、ダイナミックプライシングを効果的に機能させるためには、開発人材だけではなく、プライシングについて見識のある人材、ダイナミックプライシングを業務に適用させるためのコンサルタント的な人材も必要となり、その人件費や採用コストも必要になります。このように、複合的、長期的に考えると、自社開発でダイナミックプライシングを導入する費用は最も高くなると考えられます。

ツール利用は、最もコストの低い選択肢です。月額課金モデルのものが多いため、初期投資額が100万円ほど、月額20万円ほどと低コストで利用でき、他の選択肢には手が届かない企業でも導入を検討できます。仮に5年間利用すると考えると、初期投資100万円+月額20万円✖️12ヶ月✖️5年=1300万円ほどとなり、自社開発や受託開発と比較して最も安い選択肢だといえます。しかし、ダイナミックプライシングツールは店舗数ごとに月額料金などを設定している場合が多く、店舗数を多く抱える大企業であればあるほど、費用がかさんでしまいます。また、こうしたツール利用料金そのものとは別に、社内でのツール導入や業務適用を担当する人材も必要になるため、実際にかかるコストは上記の限りではないと考えられます。

受託開発の場合、導入時に一度5000万円ほどの投資をすれば、それで費用は終わりになります。短期的なコストは高くつきますが、長期的に見れば一度で投資が終わるため、自社開発でかかる費用より安く済むと考えられます。また、店舗数の多い大企業向けであっても開発費用は一定となる場合が多く、店舗数による費用増加を抑えることができます。

観点③ダイナミックプライシングを実際の業務で有効活用できるか?

どんなに効果的なダイナミックプライシングを開発して利用するとしても、それが効果的に機能しないと意味がありません。実際には、導入後どの部署が利用するのかどのタイミングで価格を変更するのか、といった業務上の問題があるのです。ここではダイナミックプライシングを導入開始したあと、業務オペレーションにフィットさせられるかを比較しました。

自社開発の場合、当然ながら、作成したダイナミックプライシングを業務に適用させられる人材が内部に必要となります。自社業務に精通していれば、その適用も可能ではあるのですが、プライシングについて専門的な知見をもつコンサルタントと同等に適切な業務オペレーション設計ができるとは考えにくいのではないでしょうか。

ツール利用では、導入時の各種ガイドに加えて、業務オペレーションへの最適化をサポートしてもらえる場合があります。近年のSaaS企業は、顧客と長期的にお付き合いするために、ツール導入後のサポートに力を入れている企業が多いため、導入後も安心して利用できることが多いです。しかし、やはりツール利用の場合、多くの企業が利用しているため、一企業あたりのサポートは、受託開発でコンサルタントが入る場合と比べて、弱いといえます。

受託開発では、開発企業の提供するサービス範囲によって、業務で有効活用できる度合いに差があります。開発だけではなく、導入コンサルティングまで行ってくれる場合だと、そもそも業務オペレーションにフィットするようなシステムや操作方法を作成してくれたり、また導入コンサルティングによってダイナミックプライシングを最適に扱えるようになるまでのサポートを受けたりすることができるなど、ダイナミックプライシングを有効活用しやすいと言えるでしょう。一方、開発企業によっては、コンサルティングなしで、開発のみで終わる場合もあります。その場合、手厚いサポートを受けることは難しいと考えられます。

まとめ

ダイナミックプライシングを導入するための方法として、自社開発受託開発ツール利用の3つがあり、それぞれに良い点と悪い点があります。導入を検討する際は、各導入方法の内容とメリット/デメリットを理解したうえで、自社の状況と照らし合わせて適切な方法を選んでいくことが大切です。

ここまでたくさん解説いたしましたが、「結局実際に弊社で導入するとなると、なにを選べば良いのかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?ぜひ、改めてフローチャートを確認してみてください!

ダイナミックプライシング 導入方法フローチャート

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ダイナミックプライシング導入

ダイナミックプライシングと相性の良い企業は?事例をもとにわかりやすく解説

この記事では、どんな企業がダイナミックプライシングを導入するのに適しているのかについて解説していきたいと思います。

ダイナミックプライシングとは何かわからない、という方はこの記事をご覧になってください!


プライシングスプリント

ダイナミックプライシングが適する企業

ダイナミックプライシングは、価格を動的に変更することを通じて収益最大化に貢献します。価格の動的な変更を需給の変動に合わせて行うことで収益を上げるのですが、その需給変動の予測が近年AIの発達、ビッグデータ利用の拡大によって容易になりました。それにより、現在多くの業界、事業での導入が可能となりました。

しかし、全ての事業でダイナミックプライシングが同様に適しているわけではありません。今回は特に導入を検討すべき企業の特徴を、2パターンに分けて紹介します。それらの特徴に当てはまっていれば、仮に業界内でどの企業もダイナミックプライシングを導入していなくても導入を考えることができるかと思います。

パターン1:導入による収益最大化・工数削減効果が見込まれる

ダイナミックプライシングが適する企業の特徴1 「需要が変動する商品を扱っている」

そもそも、ダイナミックプライシングが収益の最大化につながるのは、商品の需要は変動するという前提があってのものです。スポーツの試合のチケットの需要は、雨の日と晴れの日で異なりますよね。そのように需要が変動する商品を扱う場合、実際は販売することができる最高の価格は変動するはずです。同じ試合でも、晴れの日のチケットは4000円、雨の日のチケットは1000円の価値しかないかもしれません。その需要の変動に合わせて実際に価格を変更することで、収益を最大化させるのです。これがダイナミックプライシングが収益最大化につながる基本的な理由です。そのため、需要が変動する商品を扱う企業とって、ダイナミックプライシングは有用だと言えます。

ダイナミックプライシングが適する企業の特徴2 「商品価格の変更を大量かつ頻繁に行っている」

小売店など、市場内での供給(競合の状態)が変動する業界では、すでに大量の商品の価格変更や、頻繁な価格変更をしている企業があります。このような企業は導入を検討すべきです。

ダイナミックプライシングのメリットの一つに自動化による価格変更作業の工数削減があります。価格競争が厳しい業界や、価格を変更しようとすると大きなコストがかかるような業界では、手動での価格変更そのものに高いコストがかかっています。実際に、家電量販店などのオフラインの小売店では、毎日の価格張り替えコストが大きく、店員のそこにかける工数が大きすぎると問題視されています。実際に、オンライン/オフラインの小売店では、ダイナミックプライシングを導入することで、大量の商品の価格変更を頻繁に行うための人的コストを削減しています。このように、工数削減にも大きな効果を発揮するのです。

また、大量の商品の値段を頻繁に変更する場合、手動での価格管理は価格変更ミスなどのリスクを伴いますが、DPのシステムを導入することで、価格管理/変更をダッシュボード上で確実に実施できるようにります。

これらのメリットを享受しやすいため、大量の商品の価格変更や頻繁な価格変更を必要とする企業は導入を検討すべきです。

パターン2:導入に伴う顧客離れを起こしにくい

ダイナミックプライシングが適する企業の特徴3 顧客との強い関係性を築けている

ダイナミックプライシングには、導入する際の注意点があります。それが顧客との関係悪化です。短期的な収益向上につながっても、長期的にみた場合、導入による不信から顧客離れを起こし、収益減退につながる可能性があります。

しかし、顧客との間に強い関係性が築けている場合は違います。2019年1月からダイナミックプライシングをチケット価格に導入した、ユニバーサルスタジオジャパン(以下USJ)が挙げられます。USJはこれまでも一定価格制を取りながらも段階的に値上げをしてきました。そしてその間、来場者数を減らすことなく、その人気を保ち続けてきたのです。この背景には、USJが常に顧客からの支持を得るために、アトラクション開発や施設内サービスの充実させてきた事実があります。このように顧客と強い関係性を築けているがゆえに、ダイナミックプライシング導入後もUSJの評判が大幅に落ちることはありませんでした。実際、旅行予約サイトじゃらんやTripadvisorの口コミ評価も、導入前と比べて大きく下落してはいません。

また、スポーツチームでも、顧客離れは起きにくいと考えられています。スポーツチームと顧客を結ぶ強い関係性は「応援」です。ダイナミックプライシングによって上がった収益が自分の応援するチームの強化に繋がるという流れが見えれば、顧客は導入を納得感を持って受け止めてくれるでしょう。

このように強い関係性を顧客と築けている企業は、顧客離れの可能性というデメリットを受けることなくメリットを享受できるため、ダイナミックプライシングの導入に適していると言えるでしょう。

ダイナミックプライシングが適する企業の特徴4 ダイナミックプライシングによる値上げによって顧客にメリットを出せる商品を扱っている

ダイナミックプライシングによる大幅な値上げがあった際に、顧客に「この企業は、自社の儲けだけを追求している」とみなされてしまう可能性があります。値上げが頻繁に発生すると、ダイナミックプライシングを導入した企業に不信を持ってしまうかもしれません。しかし、値上げによって顧客の満足度が向上する場合、それは起きにくいと考えられます。このケースは、いくつかのCtoCサービスがあてはまります。

その例の一つが、個人がタクシーとして乗客を乗せることができるアメリカの配車サービス Uber です。乗客は行き先をアプリで入力し、近くにいるドライバーとマッチングする仕組みなのですが、マッチング時に提示される運賃がダイナミックプライシングによって調整されています。そして、このダイナミックプライシングでは、値上げしか行いません。一見顧客離れにつながりそうですが、実際には、Uberのでは、あまり問題になっておりません。これは、顧客満足度向上のためにダイナミックプライシングが必要だという、導入の理由があるためだと考えられます。

乗客にとって、近くにドライバーがおらず、乗りたくてもなかなか乗れないことは大きなストレスとなります。そのため、乗車待ちの客がが多いところには本来、ドライバーが多く向かうべきです。しかし、UberのドライバーはUber社員ではない第三者であるために、強制力を持ってドライバーを需要の多い地域に向かわせることができません。それでもドライバーを動かそうと思うと、金銭的な報酬動機付けが必要になるのです。

Uberのダイナミックプライシングは値上げのみのものですが、需要が集中した際に、乗客のもとに十分な数のドライバーを届けるという、顧客に適切にサービス提供する目的があるため、顧客にも一定納得感があるのだと思います。この例のように、顧客満足度向上のためにダイナミックプライシングが必要な商品/サービスを扱っている企業の場合、しっかりと顧客にそれが伝われば、顧客離れを起こさず、ダイナミックプライシングのメリットを享受することができるのだと思います。

ダイナミックプライシングが適する企業の特徴5 価値の変動が実感されやすいサービスを扱っている

ダイナミックプライシングのリスクとして、サービスの価格を値上げさせたのものの、サービスの質に値段が見合わないとして、サービス自体の評価が下がってしまうことがあります。

これは、サービスの価値の変動が実感できない場合に発生しています。例えば、タクシーでダイナミックプライシングを導入すると仮定すると、自分の興味のないイベントが行われていて、その会場付近のタクシーの需要が高いために値上げされれば、おそらく割高なタクシーだと感じられてしまうでしょう。

一方、価値の変動を顧客が実感しやすい場合は、値段が変わっていても、サービスや商品の質が低いとは思われにくいです。その例としては、サービスや商品そのものの価値が変動する場合が挙げられます。リーグ優勝が決定する試合になるとわかってから高騰するスポーツの特定の試合や、雪が溶ける春先と比べた真冬のスキー場の利用料金が高くなることがその具体例となりますが、このような場合だと、顧客はサービスの価値が変化していることを自ら理解しているため、価格が高くなったとしても、商品の価値と比較して値段が高いとは思われにくいです。

このような、価値変動を顧客が実感しやすいサービス・商品を扱っている企業は、商品価値がダイナミックプライシングによってに設定した値段に対して低いと思われず、顧客離れを起こしにくいため、そのリスクを負わずに導入を検討することができます。

まとめ

ダイナミックプライシングにはメリットとデメリットが存在しています。メリットが大きくなる企業デメリットが小さくなる企業は、導入の恩恵を受けやすいため、導入に適していると言えるでしょう。今回の記事で、導入すべき企業の特徴を理解していただき、導入の検討につながれば幸いです。

ダイナミックプライシング導入のメリットに関してはこちらからご覧ください。

デメリットに関してはこちらからご覧ください。